吐き捨て系日記

もう30になっちゃう男が考えを整理するためにブツクサ綴る、ほんとにただの日記です。

「熱くなる」という話

前の記事で、格闘技とアメフトが~って話をした。

で、冷静になって省みると、果たして「対象が格闘技とかアメフトじゃなかったら俺は、あそこまで熱くなっていたのか」という疑問がわく。

 

ぽつぽつ書いてはいるが、俺はスポーツ全般が好きだし、その中でも格闘技なんかは滅法好きな方だ。

だから余計に例のスピーチに引っかかったんだろう。

 

ただ、例えばなんだが、トランプの暴言。

メキシコに壁を作れだのなんのかんの。マジかどうかはいまだによくわからんが、あれを聞いても同じように熱くはなっていなかった。

 

ボクシングにメキシカンは不可欠だし、それこそプロレスに関してはルチャの本場だ。なのに、「ひどい話だ」と思いつつも別に熱くはなっていなかった。

 

自己反省でしかないんだが、結局俺はある1方向のフィルターからしか物事をまだ見れていない。風が吹けば桶屋が儲かるとかそういうレベルで遠い話では無く、すぐ隣にあるような危機にも気づいていない。

それでいて、直に言及されると急に熱くなる。

 

あまりに都合がいいというか、一面的な付き合い方しかしていないな。そりゃ、なんでも拡大解釈して陰謀論みたいになるのもよくないけれど。

 

「洋楽のトレンドがわからんくなった」という話も以前にした。

実際、それで何か不都合があったかといえば別に無かったり。

でも、なんか違うなと違和感を抱き、ちょっと視野を広げてみた。

 

まあそのうち改めて書くと思うけれど、洋楽と邦楽は関係ないなんてことは無い、多分。

 

結局何が言いたいか、っていうと

都合よく騒いだり、無視したり、それはあくまで俺の都合でしかなくて、世の中はもっとシームレスだし近い存在だ。

関係ない、で済ませて美味しいとこだけもってくなんてあまりに乱暴な気もする。

余計なこと考えんな、というのもあるだろうが誰がそれを「余計」と判断したのか。

 

まあ一夜経て頭を冷やしたということです。

 

 

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あとトランプ会見が悪い意味で面白すぎたというのもあった。

 

 

モヤモヤするスピーチの話

前提条件として、俺は英語がペラペラなわけでもないし、米国の事情に詳しいわけでもないということ。

 

それを踏まえて、先日ゴールデングローブ賞の受賞式でメリル・ストリープが行ったスピーチについて。

headlines.yahoo.co.jp

これは訳文なので原文も

d.hatena.ne.jp

 

誠実なスピーチだし、力強い言葉だ。非常に意義のあることだと思う。名前は直接出てこないが、トランプを批判したものだということはハッキリわかる。

正直政治的ポジションとか、米国のジャーナリストの力関係とかはよくわからんのであくまでこの文章だけだとね。

 

ただ、その中にどうしてもモヤモヤする部分があった。

Hollywood is crawling with outsiders and foreigners. If you kick 'em all out, you'll have nothing to watch but football and mixed martial arts, which are not the arts.

という部分。日本語訳だと、

 

ハリウッドはよそ者と外国人ばかりなのです。もしそれらを叩きだしたら、フットボール(アメフト)と総合格闘技MMA)しか見るものが無くなります。それはアートではない。

 

となる。ここだけ見ると、アメフトと総合格闘技は白人だらけの競技みたいな悪意ある解釈が出来てしまう。

実際はアートとマーシャルアーツをかけた部分もあるだろうし、米国最大の総合格闘技団体UFCの代表、ダナ・ホワイトがトランプ支持だったりするところから来ているのかもと思えたり。 


また、アメフトはアメリカの国技みたいなもんだし、「大学のアメフト部」ってのは映画なんかでも描かれるように、いわばリア充の頂点だったりするみたいだ。
よくあるもんな、「アメフト部のQBとチアの彼女にいじめられる主人公」みたいな構図。

そういうところから、「あんたたちはアメフトと総合あるからいいかもしれないけどさ」みたいなニュアンスだったりするのかもしれない。

だとしたら、それはあくまで「視聴者」の問題であって競技の問題ではない。 


「アメフトと総合はよそ者がいなくても出来るでしょ?」みたいなニュアンスなら、それこそ頑張ってるプレイヤーに失礼だ。


あるいは、
 

Disrespect invites disrespect. Violence incites violence. When the powerful use their position to bully others, we all lose.

つまり、「侮蔑が侮蔑を呼び、暴力が暴力を産む」にかかってくる文章だと見ると、「暴力的な行為を見世物にすることでそれを助長している存在」として見ているのかもしれない。まあそれこそ映画が言えた話かって思うけど、それはそれで売り言葉に買い言葉なのでよくない。 


もしくは、絶大な人気を誇るアメフトと総合格闘技に「When the powerful use their position to bully others, we all lose.」として、自省を促しているのか。

だとしたら「〜それはアートではない」って部分は全くいらない。 


この一文だけでメリルのスピーチが台無しになる、とまでは思わないけれど、100%の肯定も出来ない。 


アメフトは昔から、そして今でも差別と戦っている。

www.afpbb.com

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総合格闘技、というか格闘技全般もそう。

モハメド・アリの頃からずっと。総合格闘技のチャンピオン並べたら、非白人、非アメリカ人もかなりいるだろうし。  

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要するにどういうことか。

メリル・ストリープのスピーチでこの部分だけ取り上げて大騒ぎするのも違うと思うが、指摘はあって然るべきだと思う。 

この発言にはステレオタイプ的な認識と、それをジョーク的に扱いつつ、「アート」とそうでないものに分断する意図があるんじゃないかって。仮に文章上のジョークだとしてもね。

ぶっちゃけ明らかに認識不足だと思うし、「敵を作るな」と言いつつ敵を作っているように思えてしまう。 


それは、選挙戦の時の「トランプ支持者は貧乏で人種差別的な白人」とレッテルを貼って批判してた構図に似ている。


線が引かれている。意識的なのか無意識なのかわからないけれど。

">差別と戦ってるのはハリウッドだけじゃない。音楽も、スポーツも、格闘技も、芸術も、みんな戦っている。


何度も言うが、彼女のスピーチは素晴らしいものなんだろうとは思う。それを踏まえたうえで、この部分は明らかに余計だったと俺は思わざるを得ない。 

意図的にやってたら、それはそれでちょっと悲しいし。無意識に出てきた表現ならそれこそ酷いと思う。 

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(追記)

あと、それに対するトランプの反論が2ちゃんねらーみたいで笑った。レッテル貼りと人格批判と事実の歪曲という三本立てで。

2017年、やりたいこと

あけましておめでとうございます。

 

昨年はブログを始めたことでいろいろと変わった。物事にどう向き合うかということ、そしてそれをどう伝えるかということ。

実際コメントなんて一回しか付いたこと無いんだけれど、読ませた、踏ませてしまった以上はそれに見合う価値を見出したい。

 

というわけで来年は何しようかということ。

 

今まで聞いて来なかったものを聞く

ざっくり言えばブラックミュージック。これを聞いていかないと、最新もなにも分からんくなると思う。

映画館で映画を見る

「話題になったから」とかじゃなく、出たとこ勝負で見に行く。ナチュラルな感想を持ちたい。

「何か」作る

いい加減、形に残るものを作っときたい。

 

 

以上3つ。やって誰が得するって、俺が得するだけなんだけれど宣言しておくことで逃げ道をふさいでおく。やらない理由はいくらでも見つかるし。

しかし金が無いな。金を貯めるのが最優先ではある。

2016年、個人的に良かった曲

2016年も終わりだし、今年聴いてきた中で個人的に良かった曲をまとめておく。今年は何かいい曲多かったなーと思ったり。

メタルはやっぱりブラックメタル

VMO / Pursuit of Dignity

www.youtube.com

Saor / The Declaration


Saor - The Declaration (2016 - New Track)

Батюшка (Batushka) - Ектения́ IV Mилость

www.youtube.com

 

ブラックメタルというジャンルはメタルの中でも様式美というか、カッチリしたスタイルが確立されているものだと思っていたが、上記の3曲はどれも幅広い音楽性を有している。ガッチリとした土台を基に、エレクトロや民族音楽など様々なエッセンスを加えて、それでいてメタル的な「お約束」を抑えている贅沢な造り。

「メタル」というハードルを一歩越えると急に世界が広がる感じがして好きだ。

 

ヒットした曲はやっぱ良い

Chance the Rapper ft. 2 Chainz & Lil Wayne / No Ploblem


Chance the Rapper ft. 2 Chainz & Lil Wayne - No Problem (Official Video)

twenty on pilots / Heathens

www.youtube.com

ANOHNI / Drone Bomb Me
www.youtube.com

 

海外のトレンドってものを意識的に追うようにした。率直に思ったのは「スピード」だった。何より日本の曲って性急な曲が多いように感じた。海外のヒット曲はゆったりとした、ビートを強調した楽曲がヒットする。踊る音楽なんだろうか。単純に聞き慣れないビートだから足踏みしていたのか。

聞き方、というかノるスタイルが分かると一気に楽しくなってきた。

 

日本のロックもすげえな

Gi Gi Giraffe / Naked Girl

www.youtube.com

D.A.N / Zidane

www.youtube.com

ニカホヨシオ / 亡霊たちの楽園

www.youtube.com

 

若手ロックバンドもたくさん聞いた。俺が高校時代に聞いてたバンドもすでにベテランとなった時代。今の若いバンドが見ている風景は俺のそれとは大きく違うということを実感した。もう俺も若くないけれど、そこにある「楽しさ」みたいなものはちょっと感じることが出来たかもしれない。

 

 

 

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いっぱい聞いてきたけど、その過程で大事にしたのは俺の「先入観」と「懐古」を捨て去ること。なまじ量を聞いているから、素直な感性というものを理屈で押しつぶして過去を正当化しようとする。そういうものをいかに克服するか、そして感性を更新するかということ。

結果、「今」が凄く面白いということは実感できた。だけどそれは過去の否定じゃない。過去は過去でいいものがある。でもそれはあくまで過去だってことだ。

多くの人が「今年の洋楽ヤバくね?」みたいに言ってるんだけど、俺は後追いでしか感じることが出来なかった。リアルタイムで様々なものをキャッチするアンテナを構築しなきゃいかんと思う。音楽だけじゃなくてなんでも。

水島新司作品の話

こち亀が少し前に連載を終了した。
 

www.j-kochikame.com

 

こち亀の終わりというのは、何か一つの時代の終わり、昭和から平成への橋渡しの終わりを感じる。200巻という単行本の量は普通ではない。紛れもなく歴史に残る名作だろう。

 

が、

 

みんな大事なことを忘れてるんじゃないかという気がしてならない。

 ドカベンドリームトーナメント編の最新刊が来年出るわけだ。そこで改めて思い返してみて凄まじい事実に気付いた。

 

ドカベン(中学高校編)   全48巻

大甲子園          全26巻

ドカベンプロ野球編)   全52巻

ドカベンスーパースターズ編 全45巻

 

そして、ドカベンドリームトーナメント編が25巻…

 

ドカベンサーガ、合計196巻という事実。数で比べてどっちが凄いとか言うのはあれだが、ずーっと同じ主人公で野球だけやっててこの量は異常だ。

 

そして作者の水島新司といえばもう一つの大長編がある。

 

あぶさん 107 (ビッグコミックス)

あぶさん 107 (ビッグコミックス)

 

 あぶさん 全107巻。

最も長く連載されたスポーツ漫画として知られる。

この時点ですでに水島新司は合計303巻もの単行本をリリースしているわけだが、これに加えて野球狂の詩や球道くん、一球さんやらそこそこ長い連載作品をいくつも持ってたわけだ。
代表的なとこだけでもこんな感じ

男どアホウ甲子園 全26巻(1970~1975)
ドカベン 全48巻(1972~1981)
野球狂の詩 全17巻(1972~1977)
あぶさん 全107巻(1973~2014)
一球さん 全14巻(1975~1977)
球道くん 全19巻(1977~1981)
光の小次郎 全19巻(1981~1984
ダントツ 全7巻(1982~1983)
大甲子園 全26巻(1983~1987)
極道くん 全14巻(1984~1986)
虹を呼ぶ男 全10巻(1987~1989)
ストッパー 全12巻(1988~1992)
おはようKジロー 全29巻(1990~1995)
ドカベン プロ野球編 全52巻(1995~2003)
野球狂の詩 平成編 全3巻(1997~2000)
新・野球狂の詩 全12巻(2000~2005)
ドカベン スーパースターズ編 全45巻(2004~2012)
ドカベン ドリームトーナメント編 全34巻(2012~2018)

しかも9割9分が野球作品。

ちなみにこれより上になると手塚治虫石ノ森章太郎ぐらいしかいないだろう。

ミニコミ 手塚治虫 漫画全集 Vol.1 200巻 特別限定セット BOX

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石ノ森章太郎 萬画大全集 第01期セット

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漫画の神と漫画の王に並ぼうとしている水島新司

連載作品をいくつも抱えながら草野球を続け、投手として200勝を達成するとかわけのわからない伝説を抱えるガチの野球好き。

 

スケールがデカすぎて途方に暮れるが、チャンピオンを開けば今日も、いつも通りの野球の面白さで「やっぱり山田はすごい」って話が展開されている。

改めて、この人すげえなあと思った次第です。

 

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前にも書いたけれど、一番のおすすめは「男どアホウ甲子園」です