吐き捨て系日記

もう30になっちゃう男が考えを整理するためにブツクサ綴る、ほんとにただの日記です。

高すぎるハードル

こう、オタクとかが嫌いな作品を語ってるのをたまに見ると思うことがある。
「○○だからダメだ」「××はこうしないとダメ」…

 

そんな条件を満たす作品あるのか?

 

 

結論から言えば、批判のための理由づけでしか無いとは思うのだけれど。
高すぎるハードルを設定して、それを超えられないとボロカス叩く。
その割に、好きなものに対するハードルは滅茶苦茶低いみたいな。

そこで良い悪いの話したって成り立たないよなあ、と。

 

長さの違う物差しで「長い!」「短い!」って言い合ってもなあ。
そら話にすらなってないわっていう。

 

作品を見て、何か嫌な点があったとして、そこから理由を見つけていくのは普通だと思うんだけど、
気を付けなければならないのは、理由は必ずしも外側にあるわけではないということ。

要するに、嫌だと思ったのは作品の問題ではなく「自分の問題」かもしれないということ。

 

すげえ単純に、「虫の居所が悪かった」とか「女が好みじゃねえ」とか「こういう性格のやつが嫌い」とかそういう理由だったりするかもしれない。
それを、「必然性がない」「媚びてる」「意味不明」とか作品側の理由にすり替えてねえかと。

 

モノを測る前に、まず自分の物差しをしっかり確認すべきではなかろうかと思う。
じゃないと、周りは敵ばかりになると思うし。それを納得しようとすると「世の中バカしかいねえな」という地獄のマインドに向かうだけだ。

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最近よかった曲を備忘録代わりに貼っておく。

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今年の音楽も楽しいよ。

カルヴィン・ハリスと夏とメタルと

今年のサマーソニックのヘッドライナーでもあるカルヴィン・ハリス
6月30日にリリースされた新アルバムが最高だったわけだが、果たしてフェスではどうなるんだろうか。

 

ファンク・ウェーヴ・バウンシズ Vol.1

ファンク・ウェーヴ・バウンシズ Vol.1

 

 最近の洋楽の風潮としては、webで曲公開→PV公開→アルバム発売という感じ。
新曲来たぞ!ってみんなが一気に聞く時代だからこそ、小出しにするんだろうか。
このアルバムも、
フランク・オーシャン,Migosをフィーチャーした「Slide」から始まり、
Future,DJ Khalidをフィーチャーした「Rollin」、
そしてファレル、ケイティ・ペリー、ビッグショーンによる「Feels」と順に公開されてきた。

ビックリするのは、どれもこれも名曲だらけってこと。
個性豊かな、それこそ現代のポップシーンを代表するアーティストを網羅するような面々を揃えつつ、EDMだとかトロピカルハウスだとか、何かにカテゴライズされるどころかそれらを全て飲み込んでしまうような、もっとより大きな視点を持っているように思えた。

こんな「we are the world」みたいなことが年がら年中起こってるのが近年のラップ、ポップシーンなんだと思うと凄いよなあと。

こうやっていろんなものが「つながる」のはネット時代ならではなんだろうと思う。

 

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一方その頃へヴィメタルでは。
Mesarthimというオーストラリアのブラックメタルバンドが2曲で40分越えというアルバムを出していた。

 

The Great Filter/Type III

The Great Filter/Type III

 

 このストリーミング時代にこのスタイルで行くのは凄い根性だと思う。
今年のメタルシーンは、この他にも良いアルバムがたくさんある。

 

TRUMPETING ECSTASY (トランペティング・エクスタシー: +4 bonus tracks)

TRUMPETING ECSTASY (トランペティング・エクスタシー: +4 bonus tracks)

 

 

白暈 (ハクウン)

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  • アーティスト: heaven in her arms (ヘヴン・イン・ハー・アームズ)
  • 出版社/メーカー: Daymare Recordings
  • 発売日: 2017/03/22
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IGORRR

IGORRR

 

 まあ、挙げだせばキリが無いのだけれど。
やっぱ傾向として、ポストロックとかエレクトロとかアンビエントとか、メタル外からのアプローチが多い。
それに対して今更抵抗感出すのも違うように思っているし、むしろ大歓迎。

ちなみに最近若者に人気があるらしいポストブラックメタル。Ghost Bath筆頭になんて呼ばれているか。
「Hipstar Black Metal」ですよ。


聴けば分かるけど、超うるさいし激しいんですよね。
でもこれで「ヒップスターだこいつらは」って言われるんすよ。
要するに「メタル気取ってるけど、ただの真似野郎だね。」ってことです。

俺は普通に好きだし、メタルだと思ってるんでいいんだけどさ。

 

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ジャンル分けとか関係なく、「良い曲」「今」の集合体としてのポップがカルヴィン・ハリスのアルバム。
それに対して、メタルの今ってどこにあるんだろうか、と考えさせられた。
まあその一つがBABYMETALの、横断的というか包括的と言うか、そういうアプローチだったのかもしれないな。

 

 

「ブラックメタルはなんだか分かっているのか?」

jp.vice.com

 

Viceに掲載されたブラックメタルバンドAbbathのインタビュー。その中でこんなくだりがある。

 

ブラックメタルを始めたきっかけを教えてください。

King:ブラックメタルをやっているつもりはない。

Abbath:俺に任せろ。まずオマエに聞きたい。ブラックメタルが何か分かっているのか?

VENOMです。

Abbath:正解だ。そういうことだ。ブラックメタルはVENOMなんだ。ブラックメタルというものは、カテゴライズされたくないヤツの音楽のことだ。

流れに逆らうヤツのことだ。後ろ指差すようなヤツに「ファックオフ」を突きつける。宗教にも政治にも「ファック」を突きつける。それこそロックンロールであり、ブラックメタルだ。つまり自由ってことだ。それが分かれば自由になれる。分からなければ時間をかけろ。ブラックメタルのアティチュードなんてものは、元から存在していたわけじゃない。

VENOMだって、いろんなものが重なって生まれた。MOTÖRHEAD、SEX PISTOLSアリス・クーパーデヴィッド・ボウイもな。地獄から生えた木なんだ。

 

「何だ?」って聞かれて「Venom」と即答するインタビュアーも相当凄いと思うけど、それに対するAbbathの回答が痛快だ。

流れに逆らうと聞くと、単なる天邪鬼と捉えられそうだけれども、実際いるわけだよな流れに乗れないやつって。
俺だって全てにおいて乗れているわけじゃない。

そこで「逆らうこと」を体現してくれるような存在にはとても勇気づけられる。
もちろん、なんでもかんても逆らうわけでは無い。
インタビュー全体を見れば、Abbathは反抗的な姿勢を持ちつつも冷静に現代を見据える視点を持っていることが分かる。

どこかのフェスでベビーメタルと写真撮って話題になっていた。
別に流行なら何でも嫌いとかそういうわけではない。

キチンと「NO」あるいは「ファックオフ」と言うべきものに言うということだ。


インタビューの最後、インタビュアーの息子がAbbathをみて「この人は悪魔なの?宇宙人なの?オバケなの?」と話したというエピソードに対する彼の返答がこちら。

 Abbath:じゃ、その4歳の息子に言ってくれ。「好きなように思ってくれ」とな。真実はひとつ。

オレたちはここにいて、するべきことをやっている。音楽も言葉も自由にやっている。あとはみんなが好きなように解釈してくれればいいんだ。もちろんオーディエンスから怒りを買うこともある。だがそれも自由なんだ。ロックンロール、オレが極めたいのはそれだけだ。

俺が信じている宗教があるとすれば、それはロックンロールだ。すべて自分で決めろ。自由だ。

 
なんてイかした人らなんだろうか。

ただ俺も、良いものに「ファックオフ」なんて言うつもりはないし、自分の好みじゃないだけなものを否定するつもりはない(昔はやってた)。
ただいつか、しっかりと「NO」言うべき時が来ると思うんだよな。

それが何かは今のところわからない。でも多分あると思う。
だからその時、ちゃんと言うための言葉と、決意をしっかり持つべきだな。

議論とかじゃない否定、拒否ってのはそのぐらい重い行為だと思っている。

突っ込んだやつが悪いと思う

事件が事件なんでアレですけど、件の強姦事件でその被害者という女性が会見を開いたという話。

そこにぶら下がってるコメントも地獄みたいで見てられない。

「そんな露出の多い恰好で…」

「夜中に二人で酩酊するほど酒飲むやつが悪い」

「女性の脇が甘かった」

「美人局だろ…」

 

で、被害者が何やらどっかの政党と絡んでるんじゃないかみたいな陰謀論的な噂もあったりして。

 

ただ、思うんだけれども「露出が多いから」「酒飲み過ぎたから」あるいは「美人局」だから「ヤッていい」って話じゃねえと思うんだよな。

結局突っ込んだ男に最終的に責任があると思うんだ、どんなケースでも。

 

勃ったから、股開かれたから入れた。

 

で、入れたのはお前じゃん。

 

誘われようと、騙されようとさ。
少なくとも「ヤッたかヤッてないか」で言えばもうヤッたことになってるわけじゃん。
それで女性叩くのは筋違いでしょう。

 

「誘うような恰好する方が悪い」って、誘われるような恰好してたら襲うのかお前は。「ムカつく顔してたから殴る」ぐらい滅茶苦茶な話だぞ。

 

それにどんなケースにしろ、「私はこの人に犯されました」なんて顔出して言うのってすごい勇気がいることだよ。
どんなゲスな週刊誌の記事だって性体験系は顔隠すじゃん。

 

なぜ自分はこの女性に対して拳を振り上げようと思ったか、一旦振り返るべきだと思うよマジで。

 

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(追記)

ただ「共謀罪が~」云々っていう言及は余計だったと思うわ。
あれで変に政治的ベクトルが付いてしまって話がややこしくなった感はある。