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吐き捨て系日記

とある20代男が考えを整理するためにブツクサ綴る、ほんとにただの日記です。

敗北からの対話(5)

前の記事を書いてから、信頼できる二人の友人に感想をもらった。

 

友人Aの感想

・メタルのベビメタに対する反応がショックだったというのは分かった。

実はメタルというのはいずれ終わるジャンルで、何かによって終わる運命だったのでは

?そしてそれがベビメタによってもたらされたことが何より辛かったのでは。

 

・露悪が偽善なら、偽善もまた露悪と言えるのでは。攻撃とは、同類に対する確認行為。あなたが自覚した露悪とは、偽善であり、だからこそ楽になったのでは。

 

・今の時代、ノイズ無しに作品に当たるのは非常に難しい。ネットの感想や評論、評価などは嫌でも目に入る。それによって、純粋に作品を楽しむ機会が失われているように見えているのが問題点では。

 

・純粋な楽しみ方をしている人とそうでない人が同じ場で同じように語るのは難しい。前者を見つけることもまた。研究者もそういう生き物。あなたは研究者になりたいのでは?

 

友人Bの感想

・俺はフォルクローレという音楽が好きだが、フォルクローレとは地方によって全く違う音楽。ボリビアは管楽器のあるバンド音楽で、アルゼンチンはソロギターでの語りであるなど。

・現地の人にとっては違う音楽だが、外側から見たら同じフォルクローレというカテゴリに入れられる。それは地域性なのか共通した楽器なのかは知らないが。

・俺が好きなのはボリビアの音楽だが、アルゼンチンのものは全く興味がない。もしフォルクローレがメディアで取りざたされて、それがアルゼンチンのものだったとしてもそれは変わらない。

・俺はメディアの意見など価値が無いと思っている。自分が良いと思うものが良い。

 

・つまり、ベビメタが流行ったという事実はあるが、それでメタル全体の話になるのは大勢の意見を気にし過ぎ。相対的価値と好みは別だ。

 

 

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こういう話を振って、即答えてくれる友人がいるのはほんとにありがたい。

 

結局のところ、「メタル」という大枠で物事を見過ぎていたこと、そしてそれを「メタラー」という大勢で見ている気になっていたこと、そしてその中で様々な情報に敏感になりすぎていたこと。それがマズかった。

 

「メタルを聴く」のではなく「○○を聴く」ということ。

 

体系的、マスな視点で捉えることに価値が無いとは思わない。それは文化を見る上では必要なことだ。学術研究の性質だろう。

 

そして、その性質に踏み込んでいこうとしているのに、同時にリスナーとして純粋でありたいという、相反する欲求を同時に満たそうとしていた。それが俺を倒錯させていた。

 

いわゆる外部情報と、メディアや歴史的背景や相対的価値みたいなものに対する理解、そういったものと自分の感性が一致、いや納得させていたうちはよかったがそれが伴わない場面、というのに恥ずかしながら初めて直面したわけだ。

 

相対する、直面するということから離れすぎたことが何よりブーメランのように帰ってきたというのが今回の反省だと教えられた。

 

本来、というか音楽を楽しむということに素直であれば、こういう感性は普通に育っていくのだろうが、そこからいつの間にか離れていた。コメントをくれた元メタラーの人が言っていた「心から音楽を楽しめ」という言葉はここに帰結しているのかもしれない。

 

そして、俺の肥大化した知識はまず置いておいて、改めて音楽を聞いていく、楽しんでいくことはここから始まる。まあ音楽聞いてるときは割と幸せだったんだが、それをもう一周行うことになったわけだ。

 

人生2周目みたいなもんだろうか。新鮮なものがきっとたくさんあるだろう。手始めにベビメタを聞いてみる。

 

www.youtube.com

 

……

 

 

やっぱ合わなかったわこれ

 

例えば、「俺は嫌いだと思っていた。でもいつの間にか聞くのを辞められなくなっていた。」みたいに書いたら、待ってましたとばかりにいわゆるメイトになれたのかもしれない。でもやっぱ合わないんだな。 

 

サウンドは間違いなく一流だ。バックバンドが優秀なのももちろんだが、作曲者が良いんだろう。ブレイクダウンパートにシンガロングなサビ、ライブ映えするだろう。実際ライブは盛り上がってる。

ボーカルも、メタル的なパワフルさとは違う性質の実力を持っている。だから余計に目立つし魅力的なんだろう。

 

まあ、それはそれ。結局途中で「ソイヤソイヤ」って天然なのかワザとなのかわからない「幼さ」を強調した合いの手が入るとこはどうしても興が削がれる。それが「可愛い」ってことだ!と言われたら、俺にはわからんとしか言えない。

あとメタルで踊られるのも少し苦手なんだろう。

 

で、多分一番苦手というか、直感で合わないなと感じたのは、その「幸せ」感にあふれる感じなんだと思う。メタルは幸せじゃいけないとかそういうことではなく、俺個人としてハッピーさが苦手なだけだ。馬鹿馬鹿しさ、みたいなものは好きだ。

 

それはもしかしたら「幸せを感じられない俺孤独でカッケー!」みたいなことなのだろうか。いや、ディズニーとかジブリとか好きだし、何でもかんでも暗けりゃいいとも思わない。なんなんだろうか…先入観なのかな。でもディズニーランドは嫌いだな。

 

あとはなんだろう…やっぱメタルだから露悪的なとこは少なからずあるんだが、それを少女がやるというと微笑ましさがあったりする。ムサいおっさんがやると暑苦しいんだけどな。

 

 結局のところ良いグループだってことだ。評価されるのもわかる。 俺なんかより見識があって実績もある評論家たちも認めてるし、何よりバンドマンが評価しているからな。

 思い返せばそういうものはたくさんあった。その度に、こうしてきたはずだった。が、いつの間にかそれが出来なくなっていた。

 

メタルに入れ込みすぎて、「メタルなら全部好き」ぐらいに視野が狭くなってしまっていたのだろう。よく考えればその中にも好き嫌いがあったはずだ。

 

理屈をこねたりファンがどうとか、メタルがどうとかはもういい。俺はベビメタ苦手。それで終わり。

 

これを見て気を悪くしたなら申し訳ない。サウンドは凄いと思うし、歌も上手いと思う。曲もよく出来てる。ライブだって凄いし、実際海外でも結果出してる。

でも好きになれないというかノれない。多分それは俺の感性の問題なんだろう。どこまで行っても。それで終わり。

 

嫌いってことを表明すれば対立を生む。どんなに正当化しても。だからこれでおしまい。

音楽に向き合い、自分の感情を素直に表現するのがファンとして良き姿なんだろう。強いて言えば、ジャンルとはそういったものの集合体、偶然の産物だし流動的なものだ。

時と場合によっては自分が固定化したイメージから変化することがある。それを悲しむのもわかる。

だが、胸を張ればいいと思う。「俺が好きなメタルはこれだ!」と 堂々と言えばいいと思う。きっと新しいメタルはまだまだこれから生まれるし、過去に逃げたりする必要も無いだろう。

 

さ、次に向かおう。ちなみに最近のお気に入りは

 

www.youtube.com

 

Melt-Bananaです。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーー追記ーーー

以前、ピーター・バラカンがベビメタを「まがい物」と評して話題になった際に掟ポルシェさんのブログに書いた記事がありました。

 


blog.excite.co.jp

 

 まず自分は、BABYMETALを「存在として痛快で好き」であり、音楽としては「興味が持て無い」という立場です。ベビメタが音楽的フォーマットのひとつにしているであろうデスメタルも(幾つかのバンドが特殊に)好きですし、アイドル(とその歌)も好きです。では何故自分が好きにならないとおかしいであろうデスメタルのようなものとアイドルの融合であるベビメタの「音楽」を好きにならないかというと、理想のデスメタル像とアイドルソング像が結構頑なにあるだけに、ベビメタのそれは自分の理想と少しずつ違っていて、それは1分ずれた時計みたいなもので、自分にとってどうにもピンと来ないものであるということです。

 

とある。

あ、なるほど、俺の感覚はこれが大本だったのかと気づかされた。結局「自分が聴きたいもの」は必ずあって、そこからの距離感が好きか嫌いの分かれ目なのだろう。

俺の場合、それを無理に納得させようとした結果、嫌いって方向に振れちゃったんだろう。

 

あと、「痛快である」ということ。日本の、それも特殊なバンドが世界を席巻するというのは確かに驚くべきことだし、誰もが憧れた舞台に立ったのは賞賛すべきだろう。

一方で、手放しで痛快、と思えない自分もいる。

というのも、変わり種、という存在よりも今は正統派でいることの方が難しいんじゃないかという思いがあるからだ。

 何が正統か、というのはあるだろう。「既存の概念を覆すことこそがロックであり、そういう意味ではベビメタは正統」という意見もある。

 

うーん、わからなくは無い。ただ、俺の中では、ストレートすぎるぐらいど真ん中のシンプルなロックとかメタルがバシーンと現れることの方が痛快に感じられたりする。

まあそれも個人の感覚だし、何がど真ん中(by長州力)なのかはよくわからんよな。

 

2000年にロブ・ハルフォードがレザレクションしたみたいなことなんだろうか。ロブおじいちゃんはベビメタとコラボするらしいけど。

 

友人の意見と合わせて、やっとスッキリした気分。