吐き捨て系日記

もう30になっちゃう男が考えを整理するためにブツクサ綴る、ほんとにただの日記です。

BABYMETALを評価する記事

散々ワーワー言ったので、評価する記事を書かなければバランスが悪いと思い立ち、これを書く。

 

 

BABYMETAL最大の魅力

babymetalの最も重要な魅力、それは「真面目さ」だろう。

メタルというジャンルには時々珍妙なやつらが現れる。どう見たって真面目にやってるように見えなかったり、

www.youtube.com


楽曲はいいのにPVがクソダサかったり。

www.youtube.com


それはJudas priestみたいな大物にも言える。Hot rockin'のPVなんかクソダサい。

www.youtube.com


ただ、やってる本人たちは楽しそうだし、楽曲は良い、ということでメタラーの多くはそれも楽しんでいる節があった。「ダサくていいじゃん!」とその不器用さというものを、どこか認めようとするところがある。 

そこにきてbabymetalだ。 

彼女たちはアイドル×メタルというコンセプトを大真面目にやっている。それを実現するための作曲陣、ステージ衣装、幕間の映像を完璧に用意した。そして、それにこたえられる一流のバンドマン、歌って踊れる実力のあるアイドルをそろえた。

そしてそれらが全力となってコンセプトに殉じた。それが成功の要因だろう。


プロモーションもそうだ。テレビに出まくってCD宣伝するとか、やたらめったら露出することは避けていた。 メディアが取り上げようとしなかった、というのもあるだろうが、結果的にそれはプラスに働いたんだろう。

安売りしようとしなかった。可愛い子らなんだから写真集出したりメディアでキャッキャやらせてればそこそこ食いつきもあっただろうが、それをしなかった。  


加えて、失策が全く無いってのも凄い。例えば、急に売れると雑誌やSNSで調子こいた発言をしたりして印象を悪くすることがある。あるいは、意図は無くとも悪意的に受け取られるような発言をして、アンチを喜ばせたり。そういう失策が全くない。メンバーやプロデューサー含めて。

「隙が無い」ってのはこういうことを言うんだろう。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「メタルは売れない」そう言われて長い。実際売れてない時期があったし、ヒットといっても全体チャートに入るのはごく一部だ。

とは言っても、世界中を探せばメタルのフェスは山ほどある。普通のロックフェスより多いんじゃねえか?っていうくらいだ。

誰かが言っていたが、海外で「ロックフェス」という呼称を使うのはメタルぐらいらしい。一極集中な売れ方はしていないが、幅広く世界的に愛されているジャンルの一つということだ。

まあそれは置いといて。


そんな中でbabymetalは、手を抜かない、徹底したプロデュースという強みがあった。それが最大の魅力であり、メタルに欠けていたものだったのかもしれない。


甘え、というと簡単だが、「ダサい」ことや「売れない」ことに慣れ切っていたのだろうか。 


babymetalがぶっ壊れていたのは「アイドルでメタルやったら面白くねw」という発想だけで、あとは大真面目だったということ。

そして、それらが結実したパフォーマンスをアウェーで堂々とやる。そうして結果を出してきた。

まあ、この評価が突然落っこちるってことは考えられないので、後は周りがどうなるかってことだな。


そういうことなんじゃないだろうか、と結論付けた。 

だから逆にムカついてくる

やっぱり俺はベビメタはあんまり好みじゃない。それは個人的な好みだ。悪いんじゃなくて苦手なだけ。食い物と同じ。


だが、その姿勢は評価すべきだし、音楽もしかり、功績も認めるべきだ。 


ただ同時に湧き上がってきたのは、「他のバンドは悔しくねえのかよ!」という思いだ。ポップになれとか言うのではない。セルフプロデュースでもプロデューサーつけるでもいいが、多くの人に知らせようとする姿勢が足りないように感じられる。


不真面目さだったり、悪童な部分、不器用なところは魅力的だ。俺はそれが好きだったりする。

ただ同時に、そこに甘えて安心してはいけないということだ。聖飢魔Ⅱは某雑誌で0点をつけられたことがあるが、彼らはいまだに徹底的に悪魔に殉じている。だから残り続ける。 


「メタルだから売れない」はもう言い訳にならないことが証明されてしまった。それを突き付けられてどうするか、が俺のメタルに対する最大の注目ポイントだ。


「彼女たちはいいね。凄いよ」と上から目線でコメントしてる場合じゃねえぞと。はっきり陥落したならロブぐらい陥落すればいい。 


ある意味では自身の立場や彼女たちの功績をわかったうえでの行動だと思うし、何よりロブ自身ものすごくいい人だ。新しいものにも抵抗が無い。だからメタルゴッドなんだろうけどな。 

大物だからって中途半端に写真撮って喜んでる場合じゃねえぞ!と。すげえアルバム出せよ!と。負けてんじゃねえよ!と。

最初に抱いた俺の怒りはそういうことなんだろう。結局嫉妬よ。 


もちろん売れることだけが音楽で大事なことじゃないし、アングラで生きることも一つの生き様だし。
やりたいことやった結果メタルだった、ってバンドも山ほどいるわけだ。

でもフェスでの熱狂やライブの盛り上がり、これはアングラとかメジャーとか関係ない。純然たる大衆の評価だ。

そこでロブゾンビに「他の90%のバンドよりベビメタが凄かった」とか言われてんじゃねーよ!と。


時々友人に言われて、メタルを何曲かおすすめしたりする。そうすると「あれ?結構いいじゃん」みたいな評価はたまに聞かれる。そいつが俺に気を使って言ってるのでなければ、そういうことだ。

聞いてもらえれば分かってもらえるものもあるさ。 


とは言っても結局一ファンでしかない。出来ることは、良いと思ったものを信じること。そして応援し続けること。思い通りにならない!と喚くことじゃない。 


自戒も込めて。 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー追記

レッチリのUKツアーのゲストに招かれたらしいねベビメタ。

これは凄いことだ。

これで俺が思い出したのが漫画の「BECK」 

フェスで伝説を作る→海外で評価を受ける→大御所から気に入られる→世界へ 


漫画みたいな物語をそのままやっている。単純に凄い。

ちょっと前の俺みたいに「認めたくねー!」って騒ぐ人も多分いると思うんだよな。「なんでこいつらじゃなくてベビメタなんだよー!」みたいな。

所詮アイドルだから…所詮メタルだから…みたいに線引いて防御出来る範疇を越えている。

俺は音楽やってないからアレだけれども、例えばバンドマンはこれに対してどう反応するんだろうか。「好きなことやってればいい」みたいなスタンスではなく、「世界目指すぞ!」みたいなスタンスのやつらは相当ショックなんじゃないだろうか。


色々変わりそうだよなーこの後。