吐き捨て系日記

とある20代男が考えを整理するためにブツクサ綴る、ほんとにただの日記です。

映画『アサシンクリード』をアサシンクリードファンが見てきた。(ネタバレあり)

まず、最初っから最後まで通して言えることなので先に言っておくと

 

尺不足

 

これに尽きる。

まあこれは分かりきってはいたことだ。そもそもゲームというのは、説明に関して制限がない。膨大な説明書を読ませて、ゲーム内tipsとかで説明を随時追加して、プレイ中の好きな時に読ませることが可能だ。

対して映画は、どんなに説明過多にしても2時間の中で説明出来なければ終わりなのだ。

 

アサシンクリードは原作がゲームであり、その設定の多くはその「ゲーム的説明」によって保管されている。それを2時間で全て説明し切ろうって方が無理と言えば無理なのだ。

物語を見れば、ゲームと必ずしもイコールな物語ではないのでツッコむのも野暮なのかもしれないが、やっぱり気になった。

 

具体的に何が説明仕切れていなかったのか、気付いた限り紹介する。

エデンの果実

アサシンクリードにおける重要な要素。物語は終始これを巡って展開する。劇中では「遺伝情報の全てが記録されている」とかなんとか。まあようするに、これを手に入れると人の考えとかをコントロール出来るみたいな描かれ方だった。

 

ゲームではどうだったか?

これが登場したのは1のラスト。実際にそれがどのように扱われるかを描いたのは2以降になる。

そこでは「歴史上の指導者や独裁者は果実を所持し、人々を導いていた」という陰謀論全開なエピソードが実際の写真を用いて描かれる。

アサシンクリードで俺が好きなのはこういった、ダイナミックすぎる歴史感だったりするが、それはまた別の話で。

 

で、それが使われるとどうなるか。周囲の人間を完全にコントロールし、そのまま自殺させることも出来る強力なアイテムとしてゲームには登場する。

 

それに比べると、「エデンの果実」がいかにヤバいものか、という説明が薄かった。これが物語的にはやっぱり弱い。

 

テンプル騎士団

アサシンクリードは、テンプル騎士団とアサシン教団の戦いがメインになる。そして、このテンプル騎士団がいかに巨大な組織なのか、ということがストーリーを通して重要なポイントになっている。

秘密結社かと思っていたら、政治家、財政会、ありとあらゆる分野にテンプル騎士団はいるという設定なのだ。

ゲーム中のサブエピソードでは、「ニコラテスラが電気を発明したが、テンプル騎士団エジソンに味方してそれを握りつぶした」とかいうとんでもない話があったりする。あるいは、「テレビのサブリミナル映像で洗脳していることに気付いた一家に、テンプル騎士団の粛清の手が迫る」という音声があったり。

 

まあようするにとんでもない連中だ、ということ。それが映画では説明しきれていなかった。騎士団の長らしき女性が出てきたけれど、あれが誰かって語られていたっけ?

 

アサシンの道具

これは細かい点なのだが、アサシンの道具に関する説明も少々薄かった。

劇中で走りながら遠くの敵を倒す場面がいくつかある。それはそれでカッコいいのだが、問題は「何を使っているかわからない」ことだ。

投げナイフなのか発射式ブレードなのか。肝心な道具が全く見えない。だから、終盤で敵の将軍を倒すときにも違和感がある。

倒れた仲間の武器で一撃を加えるのだが、「あれは何の武器なのか」が全くわからない。

 

そしてこれは物語のハイライト「イーグルダイブ」にも関わってくる。

高所から落下し着地するわけだが、その過程で「何かを投げて、それによって勢いを軽減しつつ着地する」という描かれ方をしている。

が、その何を投げているかが全く見えない。恐らく冒頭で使っていたワイヤーなのだろうが、それをどう使ってどこに当ててどうなったのか全く分からない。

 

実写化にあたって、さすがに「謎の干し草」じゃあかっこつかないからそうしたんだろうか。でもなあ…あんだけもったいつけて描いたのにラストではバッサリカットするのもなあ。

 

歴史観

歴史上、様々な時代にアサシンと騎士団の戦いはあり、それを追体験するという設定。そこでは、語られるだけだった歴史上の出来事がリアルタイムに行われている。

もちろん人物も。

ゲーム内では、レオナルドダヴィンチ、チェーザレボルジア、ニッコロマキャベリなどが登場して主人公と絡む。

本作でも、スルタンとかスペイン王とかが出てくるのだが、それがどんな人物でどういう歴史があるのか、その量が非常に少ない。

異端審問会で焼かれたのがアサシンであり、トルマケダと戦うというのはいいのだが、どうしてもその説明が少なく感じた。

これは「ゲーム的説明」で保管される最たる部分なので、しょうがないと言えばしょうがない。

ただ、「歴史の裏側を見る」というアサシンクリードの魅力は若干薄くなる。

 

 

だいたいこんなところか。

あと、ボリュームの関係で削られてしまった「鷹の目」の要素も個人的には残念だ。

 

 

アクションにスピード感はあるし、街並みはきれいだし、名台詞も再現されている。だからこそ、欠けたところに目が行く。

 

この、「大作ゲームを映画化する」という動き自体は今後も続いていくだろう。その中でこの、「説明を減らす」ということをどのように行うかは最重要課題なのではないか。

ともかく、悪い映画じゃない。むしろよくやった方だと思うんだよな。

だから、ファンの目線じゃなくて普通の映画好きの目線による評価が気になるところだったり。

 

ただ、やっぱラストの暗殺はエアアサシンであってほしかったなあ。