見てきました。
詳細は省くが、日本の特撮シリーズ「スーパー戦隊」を再編集してリメイクしたアメリカのドラマシリーズ。
今回の映画は初代パワーレンジャー。日本の「恐竜戦隊ジュウレンジャー」がもとになっている。
結論を先に書いとくと、「ハードルを上げて不満や物足りなさを語ると、ダメに見える」ってタイプの映画だと思う。つまり、減点方式で見ると超つまんない映画ってこと。
以下ネタバレ。
(ちょっと加筆。さすがにいいとこ書かなすぎた)
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五人のキャラ
元となった作品からそうだが、人種が交じり合った個性豊かなメンバーが作品の魅力だ。今作ではそれに加えて、よりパーソナルな多様性がある。
具体的には、
・自閉症スペクトラムでコミュニケーション能力に難がある黒人のブルー
・直接は描かれないが、同性愛者のイエロー
・貧しい暮らしをしているアジア系のブラック
・SNSがきっかけで嫌われ者になったピンク
・アメフトのスター選手だったが、いたずらのために事故を起こして未来を絶たれたレッド
より踏み込んでいる。
だが、ブルーが強めに描かれる一方で他のメンバーに関しては、正直あまりパーソナル性みたいなものは前面には出てこなかった印象。「悩んでる」ってぐらい。
あとは田舎で閉鎖的なコミュニティ、という雰囲気はあるぐらいか。
設定自体は今っぽいけれど、それがバランスよく描かれていたかというとちょっと疑問は残るかもしれない。
そんなバラバラな彼らがまとまる理由も、やっぱりブルーだったりする。
ちょっとブルーになんでもかんでも背負わせすぎじゃねえか?と思ったりも。
メダルを見つけるのも、初めて変身するのも、クリスタルを見つけるのも、みんなが一致団結するきっかけのために死ぬのも、というかブルー無しじゃ成立しない話。
ブルーはめっちゃいいやつで、愛らしいからそれもまあわかるんだけどね。
チャラチャラしてるようで親思いのブラックとか、親から疎まれてるけど弟思いのイエローとか。それぞれの思いはあるけど、やっぱ尺的にアレだったのか。
あとピンク。彼女は完全に自業自得で嫌われてしまった人なんだが、戦闘中にチアの仲間だったやつが怖い目にあってるのを見て「ざまあみろ」はねえだろと思ったり。あれって敵に言ってたのか?
レッドみたいに彼女たちを救うみたいなシーンがあったらよかったなあ。
で、そんな落ちこぼれが力を合わせて、好きでも無かった街を守るために戦うというストーリーは燃える。それはホント。
でもまあエンディングでみんながヒーローの噂で持ち切りの中、少しだけ誇らしげなメンバーの姿で嬉しい気持ちにはなる。
戦闘シーン
というか、変身までが長い。「絆が無いと変身できない」という設定なのだが、それにしても長い。まあだからって変身前がつまらないか、というと青春映画として普通に見れるもんなんで別にいいっちゃいいんだけど。
あとこれは日本の特撮ファンならではの感想なのかもしれないけど、「変身」があっさりし過ぎていたように思う。
やっぱり、敵を前にしてメダルをかかげ、「モーフィンタイム!」で変身して欲しかったなーとか。まあそういった「儀式的」なものよりも5人が精神的に「変身」することの方が重要と言われればそれまで。
まあそんな感じなんで、生身の戦闘もそこそこに巨大ロボ戦になる。生身の戦闘はいつもの「ニチアサ」っぽくて好きだな。
で、ロボットが有機的すぎやしねえか、というのは俺みたいな古臭いロボファンの戯言なので置いておくとして、「何がどうなって合体したか」が分かりにくいのはちょっと残念。やっぱ変形合体見たかったわー。
あととどめが「ジャーマンスープレックスから馬乗りになって刃物を突き立てる」っていう実に荒々しい戦法だったのはなんとも。
多くの人が指摘している、金鉱山の街→敵が金で動く→採石場で戦うという流れは確かに自然。
音楽
個人的に一番気になったのがこれ。
劇半ではなく、ポップスがまあよくかかる。しかも、みんなちょっと古い。
カニエ・ウェストの『Power』
デスティニーズチャイルドの『Survivor』
知ってるけど、「古くね?」って感じ。
懐かしのヒーローだからなのかなあ。
いや、パワーレンジャーだからパワーなのかな?とか思ったけど、にしては音楽かかり過ぎだし。
スタンドバイミーは良かったけど、アレンジかよ!って感じだったなあ。
まあゾードシーンでは横からのアングルで「GO!GO!Power Rangers!」をやってくれたのでもう百点ではあるんですけど。(ただアレンジがなんか安っぽいというか…ギター中心の方が良かったなとか…)
その他
・マスクをつけたピンクの顔が完全に広瀬アリス
・エンディングのロボダンスは、初代でブラックが踊ってたやつか?
・多分続編を作る気はある。→トミーに主役奪われるのはやめてあげてね。
・ビンタ一発で宇宙までかっ飛んでくのはもはやギャグ
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何度も言うけど、物足りない部分も確かにある。
でもなんというか、嫌い!とは言えない感じが個人的にはあるなあ。
もうちょい全体的に尺があったら…。そしたら長くなりすぎて一本には入りきらんか。
まあとにかく、見ているうちは楽しめたから良しとしよう。
得点?スタッフロールでパワーレンジャーのテーマがかかったので+1000点ということで。あれが一番燃えた。
ていうか個々の要素は普通に好きなんで、次回作ですげえ好きになるかもしれん。