吐き捨て系日記

もう30になっちゃう男が考えを整理するためにブツクサ綴る、ほんとにただの日記です。

「若い」つもりでいる俺たち。

playatuner.com

これは、最近の若手ラッパーの発言を巡る騒動にまつわる記事。


簡単に言えば、若手人気ラッパーが「昔のラッパー?知らないし聞いたことない」的なことを言ってボロカス叩かれてるという話。


まあ、そういう生意気な態度も若くていいじゃん的な見方もあるかもしれない。
一方で、ヒップホップは歴史ってのを大事にする文化でもあるから、これだけ強烈な反発もあったんだろう。


で、俺はヒップホップの歴史がどうこうと言いたいわけでは無く、上の記事で引用されているN.O.R.Eというラッパーの発言を色んな人に伝えたい。

NORE:実際に歴史を知って「より良いアーティスト」になれるかはわからないけど、「より良い人」にはなれる。アートに感謝できる人になる。
何故かというと、自分もいつかは年をとるからだ。そしていつか自分の曲を知らない若手たちが出てくる。そして自分がしたように、同じようにディスリスペクトされたりするだろう。その時に「こいつは勉強するべきだ」って思ったりするかもしれない。
いつまでも21歳でいることはあり得ないんだ。 


 「いつまでも21歳でいることはあり得ない。」

この感覚は凄く大事だと思っている。

ネットでの交流はボーダレスなので、同じSNSや掲示板の中で10代から50代までざっくばらんにやり取りが出来てしまう。
そうなってくると、自分の「年齢」みたいなものに割と無自覚になる気がしている。


こっからは俺の感覚でしかないんだけれど、「若いつもりのジジイ」が一番厄介なんだよな。(おめーがそうじゃねえか!ってのは一旦置いとく)

オールドスクールな人たちが現代に共感できなかったとき、色々な反応をすることができるけど、そのなかでも一番簡単なのは「ヘイト」することだ。
「俺の時代では…」と言うのは簡単なんだ。俺だってたまに言うさ。過去に生きるのは素晴らしいことだし、過去が俺たちを作った。でも「今」を見れなくなるのが、「年寄り」という言葉の意味だ。それは決して馴染むために必死になれと言っているわけではない。 

 
「今」を見れなくなることがヘイトに繋がることを示唆しつつ、「今」に馴染めと押し付けないバランス感覚が凄いと思う。


まあ何度も書いてるけど、俺も最近の音楽わかんねーなーって思ったところから色々聞くようにしているわけだ。
それは果たしてN.O.R.Eの言うところの「馴染むために必死になっている」ことなのか。
オジサンが若作りしてるだけなんじゃないか、みたいな疑念は常にあったりする。


そこで大事なのは、インタビューの中にもある「歴史」ってことだと思う。
俺らオジサンには「過去」がある。

「過去」は「今」に繋がり、そして「歴史」になる。

こういう見方こそが大事なんだろう。
つまり、流行りの音楽だけ追っかけてキャッキャしててもしゃあないんだよな。

俺らが通ってきた「過去」がまるで無かったみたいに、それこそ10代の子供のように物事に触れているだけでもアカンのだ。(楽しいからたまにやっちゃうことはあるが。)
若い子はそれでいいと思うんだけどさ。


あるいは、「過去」のために「今」を歪めるようなことがあってもいけない。
まあ具体例でいえば、「昔に比べて音楽は衰退して…」って見方は正しいのかってこととか。
これに関しちゃここでは言及しないけど。


逆も然り、「今」のために「過去」を歪めることも良くない。


ともかく、ある程度の年齢に至ったら「過去」を持ちつつ「今」を見るっていう、至極当たり前のことをしていかなきゃあかんなと、再確認させられた話でした。