前提としてフェス=ライブは見てナンボなんで、そもそも面子の時点で語るのがちょっと野暮ってのは承知してます。
とはいえ、今年の日本の夏フェスってどこもラインナップに大きな変化があったように思える。
あくまで期待を込めて、そのラインナップを見ながら色々と考えてみたい。
FUJI ROCK FESTIVAL
カニエ・ウエストがフジをキャンセルしたのが4年前。
そこから久しぶりのラッパーのヘッドライナーであるケンドリック・ラマー。
しかもグラミー賞を獲得、歴史的名盤リリース後の来日ってんだから否応なしに期待は高まる。
そしてボブ・ディラン。
ポスト・マローンなども含め、ラップなど現代シーンに合わせたラインナップになるのかと思ったらここでノーベル賞獲得後のボブ・ディラン。レジェンド中のレジェンドだけど、見るなら今だろうなってタイミング。
ケンドリック・ラマーと同じステージに立つ、っていうのはそれだけで大きな批評性を持つことになるんだろうなーとか。
N.E.R.Dも文句なしに盛り上がりそうだし。
日本のアーティストもサカナクションやBRAHMANがかなり高いスロットに置かれてたり、サマソニの常連だったマキシマムザホルモンがいたり、デビューしたばっかの小林成彬が早速ブッキングされたり。
「ほんとにフジロックか?」って戸惑いの声も聞こえるぐらい、攻めたラインナップ。
SUMMER SONIC
ベック、ノエル・ギャラガーってのはまあいつも通りっちゃあそうなんだけど、やっぱチャンス・ザ・ラッパーが目を引く。(去年出るって噂あったけどあれは何だったんだろう…)
JAY-Zがヘッドライナーだったのが8年前だけど、あれ以来なんかな、この位置にラッパーが入るのって。
グラミーを獲ったアレッシア・カーラや、カマシ・ワシントン、サンダーキャットなどの様々なジャンルの「今」って感じの洋楽勢もかなり多い。
日本も水曜日のカンパネラやDYGL、MOROHA、あいみょんなど若手中心に幅広いジャンルを抑えてきてる。
ソニックマニアも含めて、凄く良い評判が聴こえてくるラインナップ。
ROCK IN JAPAN FES
これ書いてる時点ではまだ第一弾発表されたばっかなんですが、やっぱ「松任谷由実」ってのはびっくりだ。
日本のポップスクイーンことユーミンですよ。
45年で初のフェス出演とか。いったいどんなステージになるのか想像もつかんな。何を歌ってもヒット曲っていうすげえライブになりそう。夏の野外で聞く真夏の夜の夢とかはブチ上がりそうだ。
AIR JAM
復活からすっかり定着しつつあるエアジャム。
ここで眼を引くのはやっぱりKOHH。
過去にはシャカゾンビ、ブルーハーブ、キングギドラなんかも出てるんでラップが珍しいってわけではないけれど、若手最先端ラッパーをブッキングしてくるとは思わなんだ。
ベテランロックバンドや若いフェス慣れしたバンドの中でどんなステージを見せてくるんだろうか。
フェス面子に思うこと
意地の悪いネット民に日本の夏フェスがよく言われること。
「○年前から面子が変わってねーじゃんww」
まあ確かに90年代デビューのバンドによるヘッドライナーってここ最近多かったしな。
で、今回のラインナップ。「おおっ!」ってな反応と同じくらい「知らねえ…」「微妙…」ってのも目にする。
まあネット民の反応をネット民たる俺が気にしてもしゃあないんだけどさ。
でも、フェスの面子だけツラーっと見てっても明らかに変わったよね。
単純にラップ勢が増えたってだけではなく、客層が入れ替わりつつある。
「今」って感じのアーティストがゴソっと増えた。
これはリスナーの要請によるものなのか、フェス側の仕掛けなのか。後者の割合の方が大きそうだけど、前者の存在がある程度無ければ起こり得なかったことだと思う。
よく「ガラパゴスだ」「鎖国だ」って嫌味を言われる日本のリスナーだけど、絶対変わってきてると思うんだよな。
そりゃ頑ななやつもまだまだいると思うけど。
洋楽の話題が明らかに増えてると思うし。っていうか邦楽も含め、音楽の話題自体が増えてる気がする。アイドルやラップの楽曲にまつわる話ってすげえ活発で、見てて楽しいし。
いきなりガラッと変わるもんでもないと思うし、海外シーンと比べてどうこうと言う前に潮目が変わってきてることを喜びたいよな、とか。
あとはもう、実際のライブでどうなるかってことを期待しながら待ちたい。
そんな金持ってるわけじゃねえけど、今年のフェスは出来るだけ行きたいし。
楽しくなりゃいいなあ、と思います。
で、ラウドパークは?