ローガンラッキーと、白人と田舎と
見たものは見たうちに感想を書いておく。
ローガンラッキーを見てきた。
監督はオーシャンズ11などで知られるスティーヴン・ソダーバーグ。
主演はチャニング・テイタムに加え、スターウォーズの出演でも知られるアダム・ドライヴァー。そして、007のボンド役もすっかり定着したダニエル・クレイグ。
あらすじ
将来有望なアメフト選手だったジミーは、足のケガで選手生命を絶たれた。
今では工事現場で働きながら、離婚した妻が親権を持つ一人娘に会うのが楽しみ。
弟のクライドはイラク戦争に従軍していたが、帰国直前に地雷で左前腕を失った。今は義手を付け、バーテンダーとして働いている。
ジミーは足のケガが原因で仕事を首になり、クライドはその義手を酔っぱらいにからかわれる。
酔っ払いとの喧嘩の後、兄弟はジミーが工事を行っていた巨大レース場の金庫を破る計画を立てる。
メンバーとして、爆弾のプロフェッショナルで現在は服役中のジョーとその兄弟を仲間に加える。
計画は少しづつ進行していくが、決行の日程に狂いが生じてしまう。
その結果、彼らは全米最大級のレース中に現金強奪を行うことに…
感想(ネタバレあり)
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オーシャンズ11の監督ということもあり、見る前はデコボコチームのドタバタクライムムービーなのかな、なんて思ってた。
しかし、この映画の本質は恐らくそこではない。
冒頭、主人公ジミーと娘のサディが車を修理しながら会話をしている。話題はジョン・デンバーについて。
ジョン・デンバーといえば「カントリーロード」や「太陽に背を向けて」で知られるカントリーの伝説的歌手。
そして物語の舞台はウェストバージニア州。
カントリーロードは日本でも知られる歌だが、原曲の歌詞はウェストバージニアの山々の美しさと、そこへ帰りたい思いを謳ったものだ。
ウェストバージニアは白人が多い地域と聞く。そして同時に、貧しい州であるということもよく言われる。
隣のバージニア州では白人至上主義団体と、それに対するカウンター団体の衝突がニュースにもなった。
キャストを改めて見直してみても分かる通り、有色人種は皆無だ。黒人も刑務所のシーンで出てくるぐらいで、アジア人もヒスパニックもいない。
そう、この物語は「貧しい白人(ホワイトトラッシュ」そのものの物語なんだろう。
働いても全く裕福になれない、いわゆるワーキングプアなローガン兄弟。
アメフトのスター選手、アメリカ帰還兵という「英雄」になり損ねた二人。
そんな彼らの苦しみ、あがく姿こそがこの映画の主題のように思えた。
車のチョイスを見てもそれは分かる。ジミーは終始おんぼろなピックアップトラックに乗り、ジミーの元嫁も古臭いシボレーノヴァに乗り続ける。
新しい旦那がシボレーコルベットをわざわざ用意したのに。
BGMも特徴的だ。
まんまと大金を盗むローガン一味。その時、BGMでかかっていたのはCCRの「Fortunate Son」
「それは俺ではない。俺は祝福された子ではない」
貧富の差によって戦争に送るものと送られるものが生まれる不公平さを歌ったロックナンバーだ。
これ以外にも、BGMのほとんどがカントリーやサウスロックで占められている。
そして何より象徴的なシーンがある。
ジミーの娘は学校の発表会で歌を歌うことに。
そこで当初予定していたのはリアーナの「アンブレラ」。言わずと知れた大ヒット曲だ。
そしてラスト。仕事を終え発表会に駆け付けたジミー。その姿を見た娘はステージ上でこう言う「パパの好きな歌を歌うことにします」
そして彼女が歌ったのは「カントリーロード(故郷に帰りたい)」
アカペラで歌っているうちに、観客たちも呼応し、大合唱になる。
リアーナではなくジョン・デンバーを選んだ。
ジミーは盗んだ金をこっそり返し(もちろん取り分は別に隠してあったが)、「田舎の泥棒」とメディアで呼ばれる。
クライドが終始語っていた「ローガン家の呪い」、成功を目の前にすると何かが立ちふさがる。ジミーが、クライドが、そして親戚がそうだったように。
呪いとはなんだったのか。
典型的なホワイトトラッシュである彼らがかかっていた「呪い」、それは一体。
…と、ここまで書いて後は思いつかなかった。
俺の知識ではここが限界。
なんとなーく、こういうことなんだろうなーという程度。
盗むシーンに爽快感を求めたり、悪い奴が痛い目を見てざまあみろってなタイプの映画ではないとは思う。
なんのかんの言っても俺はアメリカ文化の表層しか恐らく分かってない。
この映画全体に漂う、うっすらとした閉塞感や薄暗さみたいなものが、アメリカ社会の中にも存在しているものなんだろうな、ってぐらいしか感じ取れない。
というわけで、誰か詳しい人解説してくれー。
メディアのメタル語り、地獄問題
今日はただただ、怒りを語ります。過去のものをあげつらって気に入らないことを指摘します。
良くないこととは知りつつ、俺はもう我慢ならん。
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熱心なメタルブログっていっぱいある。
日本でどこにも紹介されてないようなバンドのCDを、自分で輸入してレビュー書いたり、ライブに足繁く通ってレポート書いたり、自分でインタビューしたりしてる人もいる。
ただ一方、テレビやラジオなどの大手メディアのメタル語りは停滞しきっている。
定期的に語られはするが、その内容は実にもどかしい。
一例を以下に挙げる。
ラジオで語られた例
超人気ラジオ番組、『ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル』その中の1コーナー、サタデーナイトラボでメタルが紹介された回のネットの反応。
6年前のことだが、俺も楽しみにしていた回だったのではっきり覚えている。
反応を見ていくと、「おもしれー」「神回だ」ってな声に混じって「がっかりだ」ってのもかなり出てくる。
俺も実際相当ガッカリした口だ。
詳しい内容は以下の個人ブログに凄く丁寧にまとめられていた。
TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル」でメタル特集 - METALGATE BLOG
上のブログにもあるけれど、内容としては
・メタルはウィークエンドシャッフルに合っている、というこじつけ
・アイアンメイデンのボーカルは飛行機のパイロット
・マノウォーのネタ
・ラムシュタインの過激なパフォ
・アーチエネミーの「女なのにこんなデスボイス!」
終わり。
これ、メタルを音楽として紹介してないよね。
「聞いたこと無い人に紹介するにはこうするしか…」って言いたいのかもしれんが、それこそただのお笑いネタとして紹介する方が逆効果でしょう。
他で例えれば「野球特集です!」って、宇野のヘディングと達川のデッドボール偽装だけ紹介して「ね、面白いでしょ?」って言われたようなもん。
珍プレーには好プレーもセットなんだけどな。
メタラー代表として出てきたやつが音楽として語れなかったら終わりでしょ。
アメトーークのメタル特集もこんなんだった。
「メタルの曲はこういうところを聞いてほしい」とかそういう話が聞きたかったんだよ俺らは!
上の反応の中にあるけど、「面白かったけど、聞く気はないかな」ってのが全てだよ。
WOWOWの例
これは2013年にWOWOWの企画で語られた例。
これはまあ、テーマがそもそも人生がどうのこうのだからしゃあないのかもしれんが、結局紹介するのは昔のバンドがどうのこうの…メタル好きは嫌われてて…。
で、おすすめアルバムはメイデンの初期ってお前やる気あんのか。
ざっと聞いて新しめのバンドはアルディアスがキャバ嬢の恰好してますよってだけ。
サンキュータツオは完全に途中からバカにする雰囲気になってんじゃねーか!
これ以外にも何回かメタル特集されてるらしいけど、他のも不安だなあ…
【追記】
こっちではCHTHONICが紹介されていた。でも基本はネタベースなんだなぁ。
新しいもの紹介する気がない?
まとめると、
・ネタとして紹介
・昔話を紹介
・名盤を紹介
こうなってくる。話題はどこまで行ってもメイデン、ジューダス、メタリカ。
「今」の話なんか微塵も無い。
例えば、アメトーークで仮面ライダーとかプロレス特集すると、昭和の映像も紹介しつつ、今のも最後に紹介するじゃん(テレ朝の番宣という意味もあるんだろうけど)。
でも、メタラーですって出てきたやつが今の話しない、出来ないのは問題。
(というか両方に出張ってきてるこのT嶋ってのが問題なんじゃねえのかw)
メタルを紹介しました興味を持ちました、で何を聞けばいいの?って疑問に何も提示出来ていない。コンバージョンが取れてない。
じゃあ今のメタルってなんだよ、という話にはなる。
とりあえずベビメタぐらいは紹介しとけよ。好き嫌いに関わらず。
まあ上に挙げた例の時はまだ全米で大人気とかそういうタイミングじゃあなかったけど。
他にも、アメリカはメタルコアが売れてるとか、アングラではポストブラックが流行ってるとか、アジアやアフリカに若手バンドが増えてきたとかいくらでもあるだろ。
これらの現象が起こったのは2010年代頭なわけで、時差があるとかって問題でもない。
それこそ日本にだって世界に出てってるバンドいっぱいいるし、むしろ最終的にそこを盛り上げなくてどうすんだよ。
ドゥームメタルとして一目置かれるChurch of misery、和製ブラックの代名詞として海外で知名度の高いSigh、メタルロックンローラーとしてライブに定評のあるelectric eel shockとかさあ。
もちろん、ベテランバンドも元気なんですよ。
メタリカやメガデスみたいなスラッシュ勢はもちろん、オジーやジューダスにメイデンみたいな第一世代だってまだライブやって新譜出してる。
でも結局取りあげられるのは初期アルバムってんじゃあ何も変わらんだろ。
結局、常に最先端のメタルを紹介してるのが未だに伊藤セーソクってどういうことだよ!
ベテラン紹介に混じって2017年デビューのバンドとか紹介してるぞ。
昔話なんかジジイになってからやっとけばいいだろ。
「ラップ特集です」って、「2パックとビギーが抗争で死んだ」「こんな変なエピソードがあるラッパーがいてね…」って話を紹介して終わり。
「ヴィジュアル特集です」ってXとルナシー紹介して、「こんな変なコンセプトのヴィジュアル系がいるんすよw」で終わり。
「アニソン特集です」ってドラえもんとかルパンだけ紹介して、「アニソンも認められるようになりましたねえ」で終わり。
そういうことされたら各ジャンルの人は腹立つでしょう。でも、メタルはずっとそうなんですよ。
ファン自身が今を語れなくなってるんすよ。結成から20年経つアーチエネミーを「新しい」と思ってるやついっぱいいますからね。
「だって今のバンドって終わってるじゃん」
はい出ました。俺が分からなくなったから終わり、にする人々。
興味も熱意も無いくせに居場所は欲しい人。
昔聞いてた、ってだけで延々とファンを名乗り居座り続ける人。
ジジイが若ぶるための延命装置になったメタルなら、そんなもん終わっていい。
でもそうじゃないだろって思うので、俺はファンで居続けますけどね。
何も知らない社長の話
うちの会社の社長は恐らく仕事が出来る。
朝から晩までPCに噛り付いて、打ち合わせに出かけ、仕事を取ってくる。
それは正直すげえと思う。うちの会社はこの人無しじゃ回らんだろう。
その一方、この人はホントに何も知らない。
一番驚いたのはついこの間、プレミアムフライデーが始まる時のことだ。
俺「今日は早く帰ります」
社長「お、誰かと待ち合わせか?」
俺「いやぁ、せっかくのプレミアムフライデーなんで乗っかろうかと」
社長「?…何それ?」
マジか…と。ニュース見てねえんだ…と。
嫌がらせでとぼけてるわけじゃなく、マジで知らなかった。
その他にも、AmazonプライムもNetflixもspotifyも知らない。
もちろん最近のヒット曲は知らないし、漫画やアニメなどもっての外。
映画は見に行くがほとんど寝ている。
そもそもテレビを見ない。
改めて言うが、仕事が出来ることは尊敬する。
質問すりゃあ先回りして回答が返ってくるし、仕事の振り方も的確だ。
だが、それ以外があまりに信頼できない。
「飲みに行こう」と誘われることもあるが、最後まで仕事の話しか出来ないし、酒の飲み方がチャラい大学生みたいな雑さだ。
この人からすれば、俺が熱入れてるもんとか「余計なもの」「無駄なもの」なんだろうなと。
悪口っていうか、根本的に俺はこの人と合わねえんだなあと実感した。
職場の同僚に、同僚以上の関係を求めるもんじゃないな。
ブレードランナー2049と、何物にもなれない誰かと
恐らく、語ること自体が非常に難しい映画の一つである『ブレードランナー』。
その続編だというのだから大変だ。
で、見てきた。
ぶっちゃけ、考察だなんだが出来るほどの知識と含蓄は無いのであくまで感想ベースで書き残しておく。
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ーーーーーーーーーーーーーーーー(ネタバレあり)
主人公「K」は新型のレプリカントであり、同時に旧型のレプリカントを狩る、いわゆる「ブレードランナー」。
家ではホログラムの彼女「ジョイ」と暮らしている。最近、新型デバイスを手に入れたことによって、家の外にもジョイを連れ出せるようになった。
そんな時、始末したレプリカントの家から驚愕の事実が見つかる。
「レプリカントが子供を産んだ」
元々労働力として生産されたレプリカントにそういった機能は無いはずだった。
しかし、これが繁殖機能を持っていたとすると大変なことだ。
LAPDの上司はそれを秘匿し消滅させようとする。
一方、新型レプリカントを作り世界を牛耳るウォレスは、レプリカントの生殖機能によってさらなる量産をもくろむ。
そしてそのカギを握るのは、レプリカントの子供の親である、かつてのブレードランナー「デッカード」だった。
あらすじはこんな感じ。
上映時間は2時間44分。結構長い。
で、レビューとか見ると「長すぎ!」「冗長すぎ!」ってな感想も多かった。
まあ分からなくはないんだけど、そういったレビューの締めは大体「2時間で収まる話だろ」だ。
俺は逆に、「やれるなら3時間でもやってくんねえかな」って思った方。
この物語、結論から言うと決着はほとんど何もついていない。
レプリカントの神たるウォレスは相変わらずだし、デッカードも娘に会ったところまで、そして蜂起をもくろむ旧型たち。
彼らは何も決着をつけていない。
唯一成し遂げられたものは、「K」が「自分のやりたいこと、やるべきことを成し遂げる」ということ。
常に指示に従いレプリカントを処理してきたK。生殖機能は無いし欲求もほとんどない。
趣味があるわけでもない。
なぜならレプリカントだから。
そんな彼が、初めて手にした希望。「俺はレプリカントから生まれたレプリカントなのか?」という希望。
これはもろくも崩れ去る。自分を唯一プログラムながらも愛してくれていたジョイもデータが破壊され、警官としての職務も失い、何より「特別なレプリカントである」という希望も失った。アイデンティティはすべて失われた。
そんな彼を求める人もいる。
「一緒に立ち上がってくれ」と願い、秘密保持のためデッカードを殺すように促すレプリカントたち。
しかし彼は、そこに与しなかった。
Kは誰に願われたわけでもなく、デッカードを本当の「特別なレプリカント」である娘に会わせて息を引き取る。
「大義のために死ぬことが~」とかレプリカントは誘惑してくるし、ウォレスは「俺は神になる」的なことを延々言ってるわけだが、Kはどれにも属さず自分のやること、やりたいことをやる。
最後の最後にKは本当の意味で「特別なレプリカント」になった。
なぜKは特別になれたのか?
それは「愛」。というと少しクサい感じもあるけれど実際そうなんだろう。
「子供」という愛の結晶。自分がそうであって欲しい、と思った瞬間からKは愛を求めだす。ジョイと身体を重ねようとする。
そしてそれらを失った。
だから彼は「特別」になれたんだろう。
そして、デッカードの愛のために彼は力を貸す。
登場人物の中で、最後の最後に最も人間的な行為を行ったのはレプリカントのKだった。
退廃しながらも美しい、愛に溢れているけど悲しい映画だった。
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俺の感想はこんな感じ。
例えば「レイチェル」という名前がユダヤ人の母たる「ラケル」に由来しているとか、「「結局デッカードってレプリカントなの?」とか、「折り紙の意味は!」とか、「ジョイ可愛すぎぃ」とかいろいろあるとは思うんだけど。
そういうのを一旦置いておいて、この物語を「Kの物語」として俺は楽しんだ。
ビジュアル面は相変わらずすげえし、音楽の重低音も効きまくってた。
ワンシーンは確かに長いんだけど、その空間が作りこまれてるから俺は退屈せずに見れた。
賛否あってまあ然り、という感じだけど、俺はこの作品を「名作」の棚に置いておきたい。
最近聞いてる曲 / 2017後期
SUSHI BOYS / 軽自動車
詳細がよくわからないラップグループSUSHI BOYS。
そのグループ名と曲名から、なんとなくゆるそうなイメージを抱くが楽曲は、滅茶苦茶カッコいい。
ポップなバックトラックに乗せて流れる3人の軽妙なラップ。
田舎、というスタンスを悲観的でもなく、かといって楽観的でもなく、現実的な目線で語り継いでいくライム。
飾り立てることなく、堂々と傷だらけの軽自動車で街に繰り出す姿は痛快だ。
オクラホマミキサーをリミックスしたOMGって曲も洒落がきいててカッコいい。
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モーニング娘。17 / 若いんだし!
言わずと知れたアイドルグループ、モーニング娘。のシングル。
人気メンバー工藤遥の卒業をフィーチャーした楽曲で、曲中の「どぅー!」というコーラスは工藤のニックネームから来ている。
ダブステを取り入れたり、ロシア系ナンバーを急にやったりと音楽性の広さは昔から知られているつんく♂。
今回はトロピカルハウス全開。それでいて、歌詞や歌メロの中にあるつんく♂節も健在。
言い方は悪いかもしれないが、「最先端」に全力に振り切らず、少し「ダサさ」みたいなものを残すことこそがつんく♂の良さであり、モーニング娘。の良さなのかなと思ったり。
歌詞も「若いからなんでもやろう」みたいな明るいだけの歌かと思いきや、
「無くしたものばかり数えても未来には繋がらない」
「他人に見せられない私も私である」
などハッとさせられる視点が歌い込まれている。ある意味、過去というデカい存在とずっと生き続けるグループだからこその歌詞なのかなと思ったり。
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OZROSAURUS / OUR TIME IS N.O.W.
横浜出身のラップグループOZROSAURUSによる、横浜DeNAベイスターズの応援歌。
ゴリゴリのラップを応援歌として採用するあたり、フットワークの軽さが素晴らしい。
ラップ界でよく使われる「レぺゼン」、まさにその「レペゼン横浜」たるOZROとベイスターズがコラボするのは自然でもある。
静かな前半部から徐々に高まっていき、この曲最大のパンチライン「横浜なめたらタダじゃ済まさない」で最高潮を迎える。
スポーツカルチャーと音楽というのも、切っても切れない関係性であるが、この曲はその新しい形を切り開いた楽曲だと思う。
日本シリーズでは苦戦しているが、「ただじゃ済まさない」ところを見せつけてほしい。
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Advent Sorrow / Pestilence Shall Come
流行っちゃあ流行のジャンルだとは思う、いわゆるポストブラック / デプレッシブブラックに含まれると思われる曲。
ガッツリとコープスペイントしてる辺り、メタル的意識は強めな方。
「なんでそんなに悲しい曲をやりたがるんだ!」と言いたくなるような、切なさと絶望であふれかえった楽曲。
明るくポップに生きようぜってのも分かるが、一方でどうしてもそれが出来ないやつらってのも必ずいる。
それが「マニア向け」とか「天邪鬼」って言われるならしゃあない。
でも多分、こういう音楽ってずっと無くならないと思うんだよな。ポップスが巨大化していけばいくほど、陰の部分も濃くなっていくと思う。
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今期はメタルよりもその他のポップスやラップを聞く量が多かった。
大型化した欧米ポップスはやっぱり楽曲のクオリティ高いし、ベックやらを筆頭に大物アーティストも次々に新譜をリリースしていて耳が忙しい。
一方メタルも面白いんだけれど、何かこう一個図抜けたようなバンドやアルバムが欲しいなあと思ったり。
楽曲だけ聞いて後から調べると国がバラバラで、メタルの広がりを感じる一方シーン全体が若干落ち着いてきている印象もある。
ただ、俺が見えてないってだけかもしれないので、もうちょっと角度変えて色々聞いてみよう。