2016年、個人的に良かった曲
2016年も終わりだし、今年聴いてきた中で個人的に良かった曲をまとめておく。今年は何かいい曲多かったなーと思ったり。
メタルはやっぱりブラックメタル
VMO / Pursuit of Dignity
Saor / The Declaration
Saor - The Declaration (2016 - New Track)
Батюшка (Batushka) - Ектения́ IV Mилость
ブラックメタルというジャンルはメタルの中でも様式美というか、カッチリしたスタイルが確立されているものだと思っていたが、上記の3曲はどれも幅広い音楽性を有している。ガッチリとした土台を基に、エレクトロや民族音楽など様々なエッセンスを加えて、それでいてメタル的な「お約束」を抑えている贅沢な造り。
「メタル」というハードルを一歩越えると急に世界が広がる感じがして好きだ。
ヒットした曲はやっぱ良い
Chance the Rapper ft. 2 Chainz & Lil Wayne / No Ploblem
Chance the Rapper ft. 2 Chainz & Lil Wayne - No Problem (Official Video)
twenty on pilots / Heathens
ANOHNI / Drone Bomb Me
www.youtube.com
海外のトレンドってものを意識的に追うようにした。率直に思ったのは「スピード」だった。何より日本の曲って性急な曲が多いように感じた。海外のヒット曲はゆったりとした、ビートを強調した楽曲がヒットする。踊る音楽なんだろうか。単純に聞き慣れないビートだから足踏みしていたのか。
聞き方、というかノるスタイルが分かると一気に楽しくなってきた。
日本のロックもすげえな
Gi Gi Giraffe / Naked Girl
D.A.N / Zidane
ニカホヨシオ / 亡霊たちの楽園
若手ロックバンドもたくさん聞いた。俺が高校時代に聞いてたバンドもすでにベテランとなった時代。今の若いバンドが見ている風景は俺のそれとは大きく違うということを実感した。もう俺も若くないけれど、そこにある「楽しさ」みたいなものはちょっと感じることが出来たかもしれない。
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いっぱい聞いてきたけど、その過程で大事にしたのは俺の「先入観」と「懐古」を捨て去ること。なまじ量を聞いているから、素直な感性というものを理屈で押しつぶして過去を正当化しようとする。そういうものをいかに克服するか、そして感性を更新するかということ。
結果、「今」が凄く面白いということは実感できた。だけどそれは過去の否定じゃない。過去は過去でいいものがある。でもそれはあくまで過去だってことだ。
多くの人が「今年の洋楽ヤバくね?」みたいに言ってるんだけど、俺は後追いでしか感じることが出来なかった。リアルタイムで様々なものをキャッチするアンテナを構築しなきゃいかんと思う。音楽だけじゃなくてなんでも。
水島新司作品の話
こち亀が少し前に連載を終了した。
こち亀の終わりというのは、何か一つの時代の終わり、昭和から平成への橋渡しの終わりを感じる。200巻という単行本の量は普通ではない。紛れもなく歴史に残る名作だろう。
が、
みんな大事なことを忘れてるんじゃないかという気がしてならない。
ドカベン ドリームトーナメント編(25): 少年チャンピオン・コミックス
- 作者: 水島新司
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2017/01/06
- メディア: コミック
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ドカベンドリームトーナメント編の最新刊が来年出るわけだ。そこで改めて思い返してみて凄まじい事実に気付いた。
ドカベン(中学高校編) 全48巻
大甲子園 全26巻
ドカベンスーパースターズ編 全45巻
そして、ドカベンドリームトーナメント編が25巻…
ドカベンサーガ、合計196巻という事実。数で比べてどっちが凄いとか言うのはあれだが、ずーっと同じ主人公で野球だけやっててこの量は異常だ。
そして作者の水島新司といえばもう一つの大長編がある。
あぶさん 全107巻。
最も長く連載されたスポーツ漫画として知られる。
この時点ですでに水島新司は合計303巻もの単行本をリリースしているわけだが、これに加えて野球狂の詩や球道くん、一球さんやらそこそこ長い連載作品をいくつも持ってたわけだ。
代表的なとこだけでもこんな感じ
男どアホウ甲子園 全26巻(1970~1975)
ドカベン 全48巻(1972~1981)
野球狂の詩 全17巻(1972~1977)
あぶさん 全107巻(1973~2014)
一球さん 全14巻(1975~1977)
球道くん 全19巻(1977~1981)
光の小次郎 全19巻(1981~1984)
ダントツ 全7巻(1982~1983)
大甲子園 全26巻(1983~1987)
極道くん 全14巻(1984~1986)
虹を呼ぶ男 全10巻(1987~1989)
ストッパー 全12巻(1988~1992)
おはようKジロー 全29巻(1990~1995)
ドカベン プロ野球編 全52巻(1995~2003)
野球狂の詩 平成編 全3巻(1997~2000)
新・野球狂の詩 全12巻(2000~2005)
ドカベン スーパースターズ編 全45巻(2004~2012)
ドカベン ドリームトーナメント編 全34巻(2012~2018)
しかも9割9分が野球作品。
ちなみにこれより上になると手塚治虫と石ノ森章太郎ぐらいしかいないだろう。
ミニコミ 手塚治虫 漫画全集 Vol.1 200巻 特別限定セット BOX
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漫画の神と漫画の王に並ぼうとしている水島新司。
連載作品をいくつも抱えながら草野球を続け、投手として200勝を達成するとかわけのわからない伝説を抱えるガチの野球好き。
スケールがデカすぎて途方に暮れるが、チャンピオンを開けば今日も、いつも通りの野球の面白さで「やっぱり山田はすごい」って話が展開されている。
改めて、この人すげえなあと思った次第です。
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前にも書いたけれど、一番のおすすめは「男どアホウ甲子園」です
俺が好きなファミ通WaveDVDの話
www.youtube.comすでに休刊(編集者曰く廃刊)になってしまった雑誌、「ファミ通WaveDVD」。
俺はこれがたまらなく好きで、古本屋とかでバックナンバーを集めてたりする。
基本的には新作ゲームの動画やゲームのやり込み動画が中心。
そこに、芸能人や雑誌編集者を交えた様々な企画が挿入されるのだが、これが凄まじく面白かった。
何が、って言われたら「バカだから」とぐらいしか形容出来ない。
ただ、その馬鹿が全力だ。
上に貼った動画の企画。
「ひたすら食べて100㎏を超える」
バカ過ぎる。それをほんとにやる。
メイン番組「BOSEの○○タイム」でも、ただゲームやるだけじゃなくて、「負けたらセーブデータ消去」とか「催眠術でゲームは上手くなるか?」とかひねりを加えた企画が面白い。
そして何と言っても山岸聖太による切れ味抜群の編集。
番組の間に挿入される意図不明のCMらしき映像群、通称「ノイローゼコンテンツ」はもはや頭が狂っているとしか思えない、常軌を逸した世界観が展開される。
他にも
「ビールの栓をキ〇タマで抜く」
「ネズミ獲りを投げつける」
「ウォシュレットを口で受ける」
「罰ゲームで富士登山」
すごすぎる。これをやるのがプロの芸人やyoutuberではなく、出版社の一編集者というのが凄い。どんな根性だ。
男の子がいつしか忘れた馬鹿さ。中二ぐらいで卒業するものを全力で表現する。多分、世の中にとっては無駄だろうし、なんなら軽蔑の対象なのかもしれない。
でも、楽しいんだよな。これは間違いない。
今見る方法はほとんどないけれど、定期的に帰ってきたくなるコンテンツだ。ゲームはほんとオマケ程度だけれど、それでもゲームが好きだというのはわかるのもすごい。
たまにポッドキャスティングを聴きなおして、懐かしさとともに腹抱えて笑ったりする。ノスタルジーだけじゃなくて、単純に面白いんだよやっぱ。
最近聞いた邦楽まとめ
邦ロックってののトレンドからもだいぶ遠ざかっていた。サカナクションだってゲスだってもう「新人」ってくくりじゃないもんな。
そうやって色々聞いていくときにYouTubeのサジェスト機能ってのは優秀だ。似たジャンルのやつを山ほどおすすめしてくれる。
ってわけで最近聞いたやつをちょいと備忘録代わりにまとめておく。
VMO(Violent Magic Orchestra)
Vampilliaのメンバーが携わっているポストブラックメタルバンド。
正直音が好みすぎてヤバい。ブラックメタル感がありつつ、エレクトロの高揚感も同時に感じられる。PVのヴィジュアル面もいい。
不思議なのは、対バンの相手の多くがアイドルだってこと。この間も生うどんとかと共演してたし。まあ確かに、これと対バンするロックバンドってあんまり思いつかない感じもある。
出るとこ出たらすげえ化けそうな予感がする。めっちゃ好きなバンド。
Gi Gi Giraffe
まだ活動開始から一年経ってないロックバンド。
完成度がスゲー高い。「オシャレ」って言葉で片づけるのはもったいないぐらいのカッコよさ。
若くてテクがあるバンドってすげー多いけれど、それでいて若さを感じるし、新しさもある。そして、脈々と受け継がれる過去のバンドからのエッセンスも存分に盛り込まれている。
「今のロックバンド」っていう感じがしてスゲー好き。
Age Factory
歌がすげえ。
一発で耳を奪われる歌声だ。これも1stってどうなってんだ最近のバンドは。
アップアップガールズ(仮)
アイドルの中で、どこか別格の評価を得ているグループ。
ハロプロという名門から離れ、独自の道をひたすら歩む姿勢が人々の共感を呼んでいるのかもしれない。
ダンスも歌も上手い。可愛いし。
GLAY
昔、何でか知らないけど苦手だったGLAY。
時期が時期だし聞いてみると、すごくいい歌だ。
歌謡曲的な切なさと、バンドの世界観が凄く合っている気がする。そりゃ人気出るよなと改めて思う。
俺の世代でも憧れてバンド始めたやつ多数。
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昔に比べて今は…っていう発言は年を重ねるとしてしまいがちだけれど、今も凄い人とかカッコいい人はいっぱいいるんだよな。俺が気づきにくくなっただけで。
それに、昔カッコよかった人は今でもカッコいい、それもまた事実。「今聞いたらダセエwww」って卑下することもないんじゃないか。
【映画】ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア (1997年)
一番好きな映画は?と問われたらまずこれを挙げる。
あらすじ
同じ病院で偶然出会った女好きのマーティンと気弱なルディ。実は二人とも、不治の病に侵され余命いくばくもない状態だった。末期患者の病棟に移された二人は、酒を飲んだ勢いで病院を抜け出し、ルディが「見たことがない」という海を目指して旅に出た。しかし、その時盗んだ車がマフィアのもので、トランクにはピストルと100万ドルが積んであった…
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ドイツ映画の中でも特にヒットした映画らしい。主演はティル・シュヴァイガーとヤン・ヨーゼフ・リーヴァース。
タクシードライバーをしていた監督のトーマス・ヤーンがティルに脚本を持ち込んで、それを気に入ったティルの働きで製作にこぎつけたという。なんかスタローンのロッキーみたいな話だな。
俺がこの映画を見たのは偶然に近い。映画を見ることが楽しくなってきた時期に、「なんか面白いの無いかなー」とレンタルショップをうろついていて、上のジャケットが目に入った。
ジャケットカッコいいじゃん、ってことで見たわけだが、これがドはまりしてDVD買うまでになった。
この映画にちょいとでも触れる人が増えてくれたら良いなと思い、いくつかポイントに絞って紹介する。
コンパクトな映画
この映画の上映時間は87分。普通の映画にしては短い。
しかし、それでいて短いとも感じさせない、かといって長くも感じない絶妙な作りになっていると思う。
それは「緩急」によるところが大きい。二人の主人公は共に不治の病に侵されており、マーティンはその発作にしばしば苦しめられる。そのため、ゆったりとした時間やギャグのような展開の中でも「死」を忘れることが出来ない。
それが、この映画の時間間隔に影響を与えているように思える。
誰も不幸にならない
映画には様々な登場人物が出てくる。二人の他にも、少し変わった警察官、間抜けなマフィア、強盗に入られても全く動じない銀行員。
悪人はいるのだが、どこか憎めない。そして誰も傷つかない。
ドジをして怒られる下りはあるが、基本的に死人は出ない。泣く人もいない。凄惨な暴力も無い。
きれいごとと言えばきれいごとなのだが、ここまで徹底していると逆に清々しい。説教臭くないし。
海と死
序盤、マーティンとルディは酒を飲みながら語り合う。
マーティン「今天国で何が流行ってるか知ってるか?海がどれだけ美しいか語り合うことさ。日が沈んで真っ赤に染まった海の美しさをみんなで語り合うんだ。」
ルディ「…僕は海を見たことが無いんだ…」
マーティン「じゃあお前は仲間外れだな」
ルディ「それはイヤだ!」
大体こんな感じ。こうして二人は海を見に行くことになる。そして道中、道端に飾られた美しい海の絵や、想像の海、様々な形で二人は「海」を夢見る。
ネタバレというわけではないが、最後に二人は「海」へたどり着く。その「海」の姿は二人の想像とは違っていた。
こうしてみるとわかりやすいが、この作品において「海」とは「死」そのものなのだ。不治の病に侵された二人はいずれ死ぬ。そこで二人は、自分の「死」について思いを巡らせる。それが絵画として描かれた美しい「海」=「死」だ。
自分がどうやって死ぬのか、それはその時にならないとわからない。この二人はその「死」に向かって旅を始める。そうして辿り着いた「海」の姿から何を感じたのか。
「天国の扉を叩いた二人」がこの映画のテーマなんだ。
序盤のギャグで、病院に忍び込んだマフィアの二人が、手術から目覚めた患者と交わす会話がある。
患者「ここは…天国?」
マフィア2(アラビア系)「アッラーアクバル」
患者「(気絶)」
単なるギャグではなくて、ほんとに天使なのかもしれない。
名曲「Knockin' on heavens door」
言わずとしれた大名曲。オリジナルはボブ・ディラン。
後にガンズ&ローゼスがカバーして、こちらもヒットした。
タイトルからわかる通り、この曲がラストに流れる。ドイツのバンドがカバーしたバージョンだが、ガンズのバージョンに近いアレンジになっている。
この曲が、「ここしかない!」という絶妙なタイミングで流れる。正直卑怯だろー、と思う。だって泣くしかないもの。
イントロのギターが鳴った瞬間に大号泣必至。
曲については改めて語ることは特にないです。
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正直、個人的には欠点らしい欠点が見当たらない映画ではある。強いて言えば、エンドロールの後はいらなくね?とか、二人の友情がちょっと近すぎるとか。
ともあれ、誰が見ても面白い映画だと思う。
前述したように、サクッと見れる映画なので、少しでも興味が湧いたら是非見てもらいたいですわ。