最初に言っておくと、別に「最先端が最高!それ以外はカス!」とか「アメリカの音楽最高!日本なんてダサい!」みたいなことが言いたいわけではない。
ただ、自分が流行とか最先端ってのが段々分かんなくなってきたたことは自覚している。それがどっからだったか振り返ってみようかなと思い立った。
俺が音楽を好きになりだしたのは中学の頃。サンプルとして2004年から、日米それぞれのトップ10を振り返ってみる。
2004年
001 | Usher – Yeah アトランタ・サウンドを感じさせるシンセの上モノ使いに、ハンドクラップがアクセントになったミディアム・チューン!フックでのUSHERとLIL JONの「YEAH, YEAH!」の掛け合いが盛り上がるフロアフィラー! |
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002 | Usher – Burn 大ヒット”CONFESSIONS”からの2NDカットはUSHERの真骨頂とも言うべきミディアム・スロウ・ナンバー! |
003 | Alicia Keys – If I Ain’t Got You BLAST誌2003年ベストR&Bアルバムに輝いた “DIARY OF ALICIA KEYS”より、この曲をベストに挙げる人も多い、大名曲の”If I Ain’t Got You” |
004 | Maroon 5 – This Love 2002年発表のデビューアルバム『Songs about Jane』が世界中でゴールド、プラチナム、トリプルプラチナムを達成し、2005年第47回グラミー賞で最優秀新人賞を受賞。 |
005 | Outkast – The Way You Move Sleepy Brownがゲストボーカルとしてフィーチャーされている。Sleepy BrownはMotownのスターMarvin Gayeを真似して歌ったと語っている。またプロデューサーはCarlton “Carl-Mo” Mahoneによるもの。 |
006 | Hoobastank – The Reason 2003年にリリースされたHoobastankの『The Reason』 「The Reason」のヒットにより、2005年のグラミー賞にまでノミネートされ、一躍その名がしられるようになったフーバスタンク。 |
007 | Mario Winans – I Don’t Wanna Know 天性の歌声はもとより、R.KELLYやJOE等のアーティストと肩を並べる程の才能の持ち主ですが、本作もその才能を十分発揮した、美しすぎるメロディー・ラインに胸がキュンとなるメロウチューン! |
008 | Outkast – Hey Ya! Outkastの5枚目のアルバム”Speakerboxxx/The Love Below”の”The Love Below”に収録されているAndré 3000のシングル。 |
009 | Ciara – Goodies 歌だけでなく、ダンスの腕前、ルックスも抜群と全てを兼ね備えたCRUNK&Bの女王シアラのデビューアルバムからの同名タイトルカット。 |
010 | Terror Squad – Lean Back TSことTERROR SQUADの衝撃的シングル!!! BUSTA RHYMESやROOTSを手掛けたプロデューサー SCOTT STORCHプロデュースのハーコーなビートに TERROR SQUAD勢の容赦ないライミングの集中砲火! |
懐かしいなーと思う一方、アレ?と思う部分もある。マルーン5やフーバスタンクなんかのロック勢は当時も聞いていたし、アウトキャストなんか嫌になるほど町中でかかってた記憶がある。
ただ、アッシャーとかアリシア・キーズ、その他ヒップホップやR&Bに関して全く聞いてなかった疑惑が出てきた。
続いて日本
2004年(平成16年)のヒットシングル曲【PRiVATE LiFE】年間ランキング
1 | 瞳をとじて ⇒ | 平井堅 | 2004/04/28 |
2 | Sign ⇒ | Mr.Children | 2004/05/26 |
3 | Jupiter ⇒ | 平原綾香 | 2003/12/17 |
4 | 花 ⇒ | ORANGE RANGE | 2004/10/20 |
5 | 掌/くるみ ⇒ | Mr.Children | 2003/11/19 |
6 | かたちあるもの ⇒ | 柴咲コウ | 2004/08/11 |
7 | ロコローション ⇒ | ORANGE RANGE | 2004/06/09 |
8 | 君こそスターだ/夢に消えたジュリア ⇒ | サザンオールスターズ | 2004/07/21 |
9 | 桜 ⇒ | 河口恭吾 | 2003/12/10 |
10 | Mickey ⇒ | Gorie with Jasmine&Joann | 2004/09/08 |
これはさすがに全部わかる。バンド、ソロシンガーにお笑い。結構バラエティ豊かなように思える。
ちょっと時代を進めて2008年を見てよう。
2008年
001 | Flo Rida – Low 2008年度、年間チャートNo1ソング。 「Billboard Hot100」最高位は10週連続1位。 |
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002 | Leona Lewis – Bleeding Love UK新人女性歌手レオナ・ルイスの大ヒット・シングル。イギリス出身の女性歌手がアメリカのヒット・チャートのトップに躍り出るのは、1987年にシュープリームスの“You Keep Me Hanging On”をカヴァーしたキム・ワイルド以来約20年ぶりとなる。 |
003 | Alicia Keys – No One 世界の歌姫Alicia Keysのナンバーワンと呼び声の高い傑作アルバム”As I Am”からの人気曲”No One” |
004 | Lil Wayne – Lolli pop Lil Wayneの2008年特大ヒットアルバム『THA CARTER III』より「Lollipop」 |
005 | Timbaland – Apologize アメリカン・ロック・バンド、OneRepublicをフィーチャーしたTIMBALANDのバラード・ヒット曲「Apologize」 |
006 | Jordin Sparks – No air 「アメリカン・アイドル」シーズン6優勝者、ジョーダン・スパークス。待望の2枚目シングルはChris Brownをフューチャリング。 |
007 | Sara Bareilles – Love Song 第51回グラミー賞(The 51th Annual Grammy Awards)ソング・オヴ・ザ・イヤーノミネート。 最優秀女性ポップ・ヴォーカル・パフォーマンスノミネート |
008 | Usher – Love In This Club シングルヒットチャートでFlo-Rida Feat. T-Painのヒット曲『Low』を抜き1位を獲得。 ゲストにはYoung Jeezyを迎え、プロデューサーはPolow Da Don。 |
009 | Chris Brown – With You ティーンの憧れである卓越したダンスのスキル、ヒップホップ/R&Bファンを魅了するアルバム! そのアルバムの中から、Chris Brown「With You」 |
010 | Chris Brown – Forever Album:「Exclusive: The Forever Edition」からのシングルカット 全米2位、年間チャートでも10位を記録した。 |
アレ…?もうわかんねえぞ。さすがに一位のフロ・ライダーは知ってるけど、それ以外は名前ぐらいしかわからねえ。後、バンドがもういないな。下の方まで見たけど、バンド系で一番高いのは3 Doors Downの52位。リンキンパークも55位だ。
すでに、バンド系はこのころには流行から降りていたってことなのか。
そして俺はそれに気づいてなかったのか。
というか、このころメタルにどっぷりだったのでそもそもランキングに興味が行ってなかったというのもあるが。
続いて日本
2008年(平成20年)のヒットシングル曲【PRiVATE LiFE】年間ランキング
1 | truth/風の向こうへ ⇒ | 嵐 | 2008/08/20 |
2 | One Love ⇒ | 嵐 | 2008/06/25 |
3 | I AM YOUR SINGER ⇒ | サザンオールスターズ | 2008/08/06 |
4 | キセキ ⇒ | GReeeeN | 2008/05/28 |
5 | 羞恥心 ⇒ | 羞恥心 | 2008/04/09 |
6 | HANABI ⇒ | Mr.Children | 2008/09/03 |
7 | そばにいるね ⇒ | 青山テルマ feat.SoulJa | 2008/01/23 |
8 | DON'T U EVER STOP ⇒ | KAT-TUN | 2008/05/14 |
9 | LIPS ⇒ | KAT-TUN | 2008/02/06 |
10 | Beautiful days ⇒ | 嵐 | 2008/11/05 |
おっと、ジャニーズ無双。
この中で一番聞き覚えのあるのはGreeenのキセキだな。しかし…ジャニーズってだけでタイトル見てもどんな曲かわからなくなってきた。
別にジャニーズだから避けてる、ってわけでも無いんだけど耳に入る量が減ってきてたのかもしれない。
また、こちらもバンド系が少ない。下まで見ると、ウーバーワールドが40位にランクインしているが、これにはガンダムの主題歌補正も多少あるだろう。その下にマキシマムザホルモンがいるくらい。
段々どっちの流行も分かんなくなってきたぞ…
最後に昨年のランキング
2015年
001 | Mark Ronson – Uptown Funk 第56回グラミー賞「最優秀男性ポップ・ヴォーカル・アルバム」を受賞した世界的スーパー・スターのブルーノ・マーズがゲスト参加!イギリス出身のDJ,Mark Ronsonの4枚目のアルバム「Uptown Special」収録曲。 |
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002 | Ed Sheeran – Thinking Out Loud Ed Sheeranの2ndアルバム「Multiply」収録曲。 |
003 | Wiz Khalifa – See You Again ピアノ&ボーカルにCharlie Puthをフューチャーした、ラッパーWiz Khalifaの楽曲。2013年に交通事故で他界したPaul Walkerの遺作となった映画 「ワイルドスピード7」(邦題:ワイルド・スピード SKY MISSION、2001年から公開されたストリート・レーシングをテーマとしたカーアクション映画の7作目)のサウンドトラック収録曲。 |
004 | Fetty Wap – Trap Queen TwitterやInstagramを始めとするSNSで注目を集め、ヒットを記録したFetty Wapのデビューシングル。 |
005 | Maroon 5 – Sugar マルーン5の5枚目のスタジオ・アルバム「V」収録曲。 |
006 | WALK THE MOON – Shut Up and Dance WALK THE MOONの2ndアルバム「Talking Is Hard」収録曲。 |
007 | Taylor Swift – Blank Space Taylor Swiftの約2年振りとなるアルバム「1989」収録曲。 |
008 | Silento – Watch Me アトランタ出身のラッパーSilentoのデビューシングル。 |
009 | The Weeknd – Earned It (Fifty Shades Of Grey) 映画Fifty Shades Of Greyのサウンドトラック収録曲。 |
010 | The Weeknd – The Hills 2015年に発売が予定されているThe Weekndの2ndアルバム「Chapter III」リードシングル。 |
このころには再び洋楽聞くようになってたので、ブルーノ・マーズとかテイラースウィフトとか知ってるのもある。にしても、半分くらいしかわからない。マルーン5はいるが、昔とはスタイルが違う。
ただ、やっぱり傾向として現在の潮流の兆しは10年以上前からあったってことがランキングを眺めるとわかる。
それをつかめたかどうかって言えば、俺はつかめてなかった。
続いて日本。予想はつくのだが…
2015年(平成27年)のヒットシングル曲【PRiVATE LiFE】年間ランキング
1 | 僕たちは戦わない ⇒ | AKB48 | 2015/05/20 |
2 | ハロウィン・ナイト ⇒ | AKB48 | 2015/08/26 |
3 | Green Flash ⇒ | AKB48 | 2015/03/04 |
4 | 唇にBe My Baby ⇒ | AKB48 | 2015/12/09 |
5 | コケティッシュ渋滞中 ⇒ | SKE48 | 2015/03/31 |
6 | 今、話したい誰かがいる ⇒ | 乃木坂46 | 2015/10/28 |
7 | 太陽ノック ⇒ | 乃木坂46 | 2015/07/22 |
8 | 命は美しい ⇒ | 乃木坂46 | 2015/03/18 |
9 | 青空の下、キミのとなり ⇒ | 嵐 | 2015/05/13 |
10 | Don't look back! ⇒ | NMB48 | 2015/03/31 |
出たこれ。嵐とAKBの二択。
以前、「アイドルが面白い」って記事を書いた。
にしたって、これはねえだろ~。
ちなみにこの下に行くと三代目が入ってきて、それ以外のアーティストで一番高いのがB'z。その下にSMAPやらモー娘。やらK-POPが入ってくる。どれもコアな固定ファンを持つアーティストだ。
別にアイドルのサウンドが悪いとかそういう話ではなくてさ。
俺も聞くには聞くんだけど、ここまで売り上げが寡占されんのもちょっとな、という。
アメリカのランキングはラップだらけ、ってのとはまた違う感じ。
どこから変わった?
まず洋楽のチャートに関して。
これは単純だった。2000年代半ばのランキングを見ればわかるようにバンドが売れる時代からR&Bとヒップホップの時代への転換点が来る。
そこで俺はR&Bとヒップホップに乗れなかった。そうした経緯があって今のランキングだから、久しぶりに見て面食らうのもしょうがない。
ここに関して俺の感覚なのだが、日本でR&Bとかヒップホップというと、2000年代には一度「終わった流行」にしてしまったという記憶がある。
実際にどうだったか、ではなくあくまで流行とかステレオタイプ(それも俺の)の話だ。
90年代末、MISIAとか宇多田ヒカルとか、優れたR&Bシンガーはいたし平井堅とか久保田利伸なんかもいた。ヒップホップもDAYONEからスチャダラを経てドラゴンアッシュ、リップやキックの時代があった。しかしそれが一過性の流行で終わった。
アメリカで着実に文化を根付かせていく一方で、日本ではR&Bとヒップホップは流行として消費してしまったように思える。
俺はというと、もちろんそうしてしまったからこそ流れを見過ごしていた。
結果、今の全米音楽の潮流に戸惑っているわけだ。
実際のところ、単に流行じゃなくなっただけで、アングラでカッコいいものは昔からたくさんあったし、だからこそ紡がれてきた日本のヒップホップ文化が今はバトルブームを導き、いとうせいこうが再評価される時代がきているわけだが。
次に日本のチャートについて。
このような状況が起こったのは何も最近の話じゃない。
1 | Beginner ⇒ | AKB48 | 2010/10/27 |
2 | ヘビーローテーション ⇒ | AKB48 | 2010/08/18 |
3 | Troublemaker ⇒ | 嵐 | 2010/03/03 |
4 | Monster ⇒ | 嵐 | 2010/05/19 |
5 | ポニーテールとシュシュ ⇒ | AKB48 | 2010/05/26 |
6 | 果てない空 ⇒ | 嵐 | 2010/11/10 |
7 | Love Rainbow ⇒ | 嵐 | 2010/09/08 |
8 | チャンスの順番 ⇒ | AKB48 | 2010/12/08 |
9 | Dear Snow ⇒ | 嵐 | 2010/10/06 |
10 | to be free ⇒ | 嵐 | 2010/07/07 |
2010年にはすでにこうなっている。
問題はそっから5年経っても面子がほぼ変わらないってのが凄いというか恐ろしいというか。
95年のランキングと2000年のランキングを比べたら、そりゃ入ってる人は全然違うし流行も違う。
でもここ5年は、中心にいたものがずっと同じってことだ(乃木坂とAKBは違う!とかそういうのはいいです)。
まあAKBも曲によってはジャンルも違うんだけれど、パッケージとして同じ。
俺の問題を日本のせいにしたくはないが、しかしこのランク。
明らかに日本の音楽文化の潮流が見えにくくなってきている。
もちろん、新しい音楽は出てきているし変化はある。
しかしそれに気づくためには今までとアンテナの張り方を変えなきゃいけないんだろう。
そもそも上に貼ってったランキングはCD売り上げだし、何年か前から「CD売り上げと配信売り上げの乖離がすごい」みたいな話題はあったわけだし。
アイドルが強いってのはそこにファンダムを最大限活用するビジネスがあるからこそ、ってのもある。
また、現在ではyoutubeやストリーミングの再生回数ってのが日本でも重要視されつつある。
まあ、だから「音楽業界はこうしろ!」ってわけでもないのだが、俺自身いろいろと見直して振り返るべきだなと思わされる結果だった。
都合よく理由つけて流行に乗ったり乗らなかったりしてるとこうなるんだろうな。
若ぶって「流行!最先端!」って騒ぐのもアレだけど、思い込みで分かった気になってるのも良くないと思うし、ちゃんと見聞きはしてこうなってことで。